ニチモウバイオティックス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:天海 智博。ニチモウ(株)100%子会社)は、ハーバード大学医学部の医療センター(BIDMC)との共同研究で、同社にて開発した麹菌発酵大豆培養物『イムバランスエキス末』ImmuBalance-EX を用いた動物試験において、アデニン誘発認知機能障害モデルマウスにおける認知機能の低下を一定程度軽減することが確認されました。
認知機能は中枢神経系(CNS)の高等機能のひとつとされ、注意、学習、記憶、実行プロセスを含んでいる。認知機能の低下は加齢ならびに神経変性疾患もしくは神経精神障害、糖尿病、慢性腎臓疾患(CKD)などといった特定の疾病と関係しています。世界保健機関(WHO)の報告書によれば、世界の認知症有病数は現在、およそ 3,560 万人に上ります。そして、2030 年までに 2 倍の 6,570 万人、2050 年までに 3 倍の 1 億 1,540 万に増えると予測されています。国内では、厚生労働省研究班の調査によると 65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は推計15%で、2012年時点で約462万人、その数が2025年には 730 万人へ増加し、65 歳以上の 5 人に 1 人が認知症を発症すると推計されています。
そこで、現在も認知機能を向上させる新治療薬の開発は進められているが、未だに有効な治療法が確立していないこと、また一方では、認知機能低下には神経精神障害、糖尿病、CKD などの現代社会の生活習慣病と深く関連していることなどを背景に、イムバランスの幹細胞増強作用や腸内微生物叢の変化などが、認知機能低下を軽減できると考え、ハーバード大学医学部との共同研究に至りました。
イムバランスエキス末投与により認知機能障害モデルマウスの抗神経炎症に関連するバイオマーカーや腸内微生物叢の変化などを調べた結果、イムバランスエキス末は炎症・神経炎症を阻害し、エネルギー代謝を向上させ、神経発生を増やし、腸内微生物叢が変調することで認知機能を一定程度改善する可能性があることを示しました。これらは、今後の認知機能低下の予防および進行を緩和することにおいて重要な知見であると考えます。
同研究成果は、国際科学雑誌「Frontiers in Nutrition」(インパクトファクター:6.590)の 2023 年(10 巻)3 月 9 日オンラインに全文掲載されました。
※「Bioactive nutraceuticals oligo-lactic acid and fermented soy extract alleviate cognitive decline in mice in part via anti-neuroinflammation and modulation of gut microbiota」
(日本語:生物学的に活性な栄養補助食品イムバランスエキス末が抗神経炎症と腸内微生物叢変調を介してマウスの認知機能低下を一定程度軽減する)
ニチモウバイオティックスは、イムバランスの幹細胞増強作用、抗アレルギー作用のほかに慢性腎臓疾患(CKD)への有効性も確認されており、今回は、認知機能低下軽減の有効性が確認されたことから、今後において、健康食品素材で類を見ない訴求点をアプローチできるマルチ機能性素材として原料拡販につなげます。
【詳細は下記URLをご参照ください】
・ニチモウバイオティックス株式会社 2023年3月10日【PDF】発表
・ニチモウバイオティックス株式会社 公式サイト