株式会社コーセーは、美容理療分野における化粧品の有用性を探る取り組みの一環として、広尾皮フ科クリニックにコウジ酸配合製剤を提供、これを同クリニックがレーザーによるシミ除去治療のアフターケアとして使用したところ、その高い有用性が確認されました。本製剤は、従来使われてきたハイドロキノン製剤と比較して同等かそれ以上、シミの再発防止効果があり、副作用や悪化した症例は一例も認められませんでした。この研究成果については和泉達也医師により、1 月10 日発行の「新薬と臨床」※1 1月号に論文※2 として発表されます。
※1 株式会社医薬情報研究所発刊の月刊誌
※2 論文:和泉達也「レーザー施術後におけるコウジ酸配合製剤の有用性評価」
コーセーは、医薬部外品の有効成分であるコウジ酸を配合した美白製剤を、広尾皮フ科クリニックに提供し、これを同クリニックが老人性色素斑のレーザー施術のアフターケア製剤として使用しました※3。その結果、レーザー照射から14 週間後の観察において、15 例のうち11 例で老人性色素斑の改善効果が確認され、患者さん自身の評価においても13 例で「満足」という結果が得られました。試験において悪化した症例、副作用による試験の中止例は一例も認められませんでした。
なお、本試験で使用したコウジ酸配合製剤は、すでに市販されている同社の医薬部外品の美白美容液と基本骨格が同一の処方です。※3 試験方法概要: レーザー照射にはWATERWAVE 社製SINON(ルビーレーザー)を1 回使用。レーザー照射後の被験部位へは、ステロイド外用剤の塗布と絆創膏の貼付を痂皮が脱落するまで2 週間続けた。その後から12 週間、1 日2 回コウジ酸配合製剤を適量塗布することとした。
近年、レーザーやフォトフェイシャルをはじめとする美容医療が広く認知されるようになり、特に、老人性色素斑をはじめとするシミを除去するレーザー施術は目に見える著しい除去効果があることから、多くの女性が利用するようになっています。
レーザー施術をおこなったシミの跡は、アフターケアを行わないと再び元の褐色に戻りやすいため、一般にアフターケア製剤としてはハイドロキノン配合製剤が用いられてきました。しかしハイドロキノンには刺激や副作用の報告があるなど安全性上の懸念が指摘されており、さらに安定性が悪く冷暗所での保管が必要といった制約もあるため、ハイドロキノンより安全・安定でかつ効果が同等である製剤が求められてきました。今回の研究成果は、同社が医薬部外品として製造販売しているコウジ酸製剤が、美容医療分野におけるハイドロキノンの代用として十分な機能があることを示すものです。
同社は新たな事業領域への取り組みとして、『医療(美容医療)分野との関係深化』を掲げ、『化粧品の有用性実証』、『QOL(Quality of Life)向上』、『健康科学』の視点からの様々な研究開発テーマに取り組んでいます。コーセーでは美容医療と化粧品は代替の対象や対立関係にあるものではなく、それぞれが得意とする役割を補完し合うことによって、より高い次元でニーズに応えることなると考えています。今後も生活者の更なるベネフィットを追及するために、美容医療と化粧品の融合の可能性を探る様々な研究・開発を行ってまいります。1990 年、同社で初めてコウジ酸配合化粧品を発売しました。以来20 年以上に渡り、その優れた美白効果をさらに引き出すための処方開発を続けています。コウジ酸についての情報は、Web サイト(コーセー研究所HP 開発秘話)でも紹介しています。
※リリースの詳細は関連資料をご参照ください
【関連資料】
◎リリースURL/PDF(株式会社コーセー 2013年1月8日発表)
http://www.kose.co.jp/jp/ja/ir/common_ir/pdf/news/20130108.pdf
◎コーセー研究所HP 開発秘話
http://www.kose.co.jp/jp/ja/research/secretstory/index.html
◎株式会社コーセー
http://www.kose.co.jp/