特定の焙煎条件で高まる凝集阻害作用を細胞試験で確認、飲食品への応用を目指す

株式会社紀州ほそ川は、特定条件で焙煎したムクナ豆を有効成分とする「αシヌクレイン凝集阻害剤」に関する特許(特許第7909212号)を取得しました。登録日は2026年8月13日です。同特許は、焙煎によってムクナ豆のαシヌクレイン凝集阻害作用が高まることを見いだし、飲食品への応用の可能性を示した研究成果に基づくものです。
特許の概要
| 発明の名称 | 焙煎ムクナ豆を有効成分とするαシヌクレイン凝集阻害剤 |
| 特許番号 | 特許第7909212号 |
| 出願番号 | 特願2024-184380 |
| 出願日/登録日 | 2024年10月18日/2026年8月13日 |
| 特許権者 | 株式会社紀州ほそ川 |
研究の背景
αシヌクレインは神経細胞に広く存在するタンパク質で、線維化・凝集・蓄積したものは、パーキンソン病やレビー小体型認知症などでみられるレビー小体の主要構成成分として知られています。αシヌクレインの凝集を抑えることは、こうした疾患の発症・進行メカニズムを考えるうえで重要な研究テーマです。
一方、ムクナ豆(八升豆)はL-DOPAを豊富に含む食品素材として知られていますが、特定の焙煎条件とαシヌクレイン凝集阻害作用との関係は、これまで十分に明らかになっていませんでした。
発明のポイント
・70~250℃で3~60分焙煎したムクナ豆を有効成分とするαシヌクレイン凝集阻害剤を権利化。
・ヒト神経芽細胞由来のαシヌクレイン安定過剰発現細胞を用いた評価系で、焙煎条件と凝集阻害作用の関係を検証。
・出願時の実施例では、15分間の焙煎条件において、焙煎なし(乾燥ムクナ豆)と比較して凝集阻害率が高まり、160℃以上で90%以上の阻害率を確認。
・焙煎ムクナ豆の粉末の他、各種食品やお茶をはじめとした飲料など、飲食品への配合、応用を想定。
・高温焙煎ではL-DOPA量が低下する一方、凝集阻害作用は高くなる傾向がみられ、凝集阻害に寄与する成分はL-DOPAとは異なる可能性を示唆。
今後の展開
同社は同特許を、国産ムクナ豆の付加価値向上と新たな食品素材・製品の研究開発につなげてまいります。今後は、作用に関与する成分やメカニズムの解明、安全性および適切な摂取方法に関する検討を進めるとともに、大学・研究機関や食品関連企業との共同研究、原料供給、商品開発を視野に事業化を検討します。
研究体制
同発明は、株式会社紀州ほそ川ならびに和泉大学(旧:大阪河﨑リハビリテーション大学)、和歌山工業高等専門学校の研究者らによる研究成果を基礎としています。発明者は河野良平氏、奥野祥治氏、宇都宮洋才氏、および同社代表取締役の細川陽介です。













