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康壇:::沸騰するグルコサミン人気とその背景

数あるサプリメントの中でもこのところ膝の痛みを軽減するグルコサミンの人気が沸騰している。変形性関節症など膝の悩みを抱えている人が増えていることもあるが、グルコサミンに対する消費者の認知度が口コミ等で圧倒的に高まっており、一般の飲料、加工食品への利用が本格化してきていることも上げられる。  8月に開催された第19回キチン・キトサン学会でも、肝心のキチン・キトサンに一頃の勢いが感じられない中で、グルコサミンの研究が一人気を吐いていた。今や、キチン・キトサンメーカーを支えているのはキトサンではなくてグルコサミンであることを痛感したしだいである。その勢いは医者をも動かした。この6月にはグルコサミン研究に携わっている整形外科医、獣医師、原料メーカー等9名が発起人となって「グルコサミン研究会」が発足した。協賛企業は33 社。会長には、順天堂大学医学部整形外科学教室の黒沢尚教授が就任した。「会の一番の目的は医師にグルコサミンの効能を知らせることです。二番目は、もう少し厳密にグルコサミンや類似食品の効能を明らかにすることです。研究会が一つの刺激となり、それを基にして研究が活発になる、そういう触媒のような役割を果たしたいと考えております」と語っている。  現在、大手食品会社、製薬会社を含む100社以上がグルコサミンを発売し、飛躍的に需要を伸ばしている。原料供給量は2000年が70~80tだったのが、2003年には350~400t、現在では500tを突破している模様だ。原料価格がキロ4000円として20億円、末端市場は20倍としてざっと400億円に膨れ上がっている。これを後押ししているのが、このところ飲料・加工食品へのグルコサミンの利用が活発化していることである。  日本ミルクコミュニティは、一昨年10月から国内初のグルコサミン入り乳飲料「グルコサミンパワー」(宅配専用)を発売、昨年9月末にはスーパー、コンビニ向けに「グルコサミンヨーグルト」、宅配専用に「グルコサミンパワーヨーグルト」を発売した。今年の6月にはカルピスが緑茶飲料「ファインサポートグルコサミン緑茶」を新発売した。この他、宝酒造も「グルコサミン調整豆乳」を発売。協同乳業、ポッカ、エルマーなども柑橘系飲料などに採用している。グルコサミンは酸性で安定なことからジュース、ヨーグルトが中心、味がマスキングされることから柑橘系に適している。  グルコサミンを飲料や加工食品に使用するにはグルコサミン特有の生臭みやえぐ味をマスキングする必要がある。この点、焼津水産化学工業の天然型N‐ アセチルグルコサミン「マリンスウィート」は、甘味が強く、水に溶かした時の安定性、保存性などから前記の大手に採用されている。また、甲陽ケミカルの「グルコサワー」、扶桑化学の「高純度グルコサミン」など味を改良した製品が開発され、飲料や冷菓、調味料など幅広く利用されつつある。

2005年10月11日 09:34