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急増するネットの違反広告に関し、具体的事例を紹介

デジタルマーケティング事業を手掛け、健康・美容関連のECサイト構築も行うトランスコスモス(株)(本社東京、奥田昌孝社長)は、12日、本社において『健康食品・化粧品業界における効能効果の表現とWebマーケティングの今』と題したセミナーを開催した。  講演はオーバーチュア(株)の西村多聞氏らが、健食や美容関連商材のWebマーケティングの手法を紹介したほか、(社)日本広告審査機構(JARO)審査部審査課・宮本和洋課長が、『化粧品・健康食品などの効能効果表現の制限についての事例』として、薬事法などの関連法規の内容と具体的な事例を紹介し、広告代理店や販売業者らに対し注意を促した。  この背景として、健康食品や化粧品などに関する不適正な広告表現に関する相談のうち、インターネットメディアによるものが増加、ほぼ毎日のようにJAROへ持ち込まれているということがある。また、宮本氏によると、経済産業省や東京都はインターネット広告による不当表示や誇大広告の規制を強化している。  JAROに入る違反広告に関するクレームは、健食や化粧品などでは同業者からのものが多いという。また、顧客対応に関する消費者からのクレームも増えている。  宮本氏は「インターネットでは広告表現に関してチェック機能が十分に働いているとはいえない。メーカーだけでなく販売業者や広告代理店なども関連法規の知識は不可欠で、知らずにトラブルに巻き込まれてしまうこともある」と述べた。  また、違反内容を瞬時に変更し、しばらくした後に再び不当な広告表現をする悪質なネット媒体とJAROや行政とのいたちごっこともいえる現状に、「法令順守こそが信用獲得の第一歩だ。法の緩和を促すためにも、企業の倫理やコンプライアンスの確立が何より必要」と、呼びかけた。  同時に、あくまで個人的な見解として「今の法規では常識的な食品の知識もが、全て不当表現として規制される可能性がある」と行政への疑念も呈した。  主催したトランスコスモスのデジタルマーケティング第一サービス営業本部コスメティック&ヘルスインダストリー課では、サプリメントや化粧品、女性向け商品の検索サイト「Arekao」を運営しており、今回のセミナー開催に至った。

2005年10月17日 10:48