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カゴメとキッコーマンがトマトの抗アレルギー作用発表

10月20日~22日に行われる「第55回日本アレルギー学会秋季学術大会」で、カゴメ(株)(本社愛知県、喜岡浩二社長)及びキッコーマン(株)(本社千葉県、牛久祟司社長)が、トマトの抗アレルギー作用について発表を行う。   カゴメ(株)は、日本薬科大学・おやまにし病院の伊藤雅彦氏と共同研究を行い、トマト由来のカロテノイド(主にリコピン)が、ハウスダストに対する特異IgE値(抗体の1種で、値が大きいとアレルギーが起きる)を有意に低下させることを明らかにした。試験内容は、ハウスダスト特異的IgE値陽性者 12名のうち、半数に1粒中トマト由来リコピン10mgを含んだカプセルを毎日2粒、半数に植物油含有カプセルを毎日2粒、4週間にわたって摂取させるというもの。ハウスダストに対する特異的IgE量の測定とプリックテスト(即時的アレルギーを見る皮膚反応試験)をカプセルの摂取前及び摂取2、4週間後に行い、アレルギーの指標とした。また、血清カロテノイド(リコピン、β―カロチンなど)濃度を測定した。   試験結果は、トマト由来リコピンカプセル摂取群はハウスダストに対する特異IgE値が有意に減少したほか、プリックテストでは6名中1名が陽性から陰性に移行。また、血清リコピン濃度及びβ―カロテン濃度は有意に上昇した。プラセボ群には上記の結果は見られなかった。   一方、キッコーマン(株)は、日本赤十字社和歌山医療センターと共同で臨床試験を行い、加工用トマトの果皮から得られる、ポリフェノール「ナリンゲニンカルコン」を含有した「トマト抽出物」が通年性アレルギー性鼻炎(ダニやハウスダストが原因で起こるアレルギー)の症状を緩和することを確認した。試験内容は、疾患歴3年以上で症状が中等症以上と診断された通年性アレルギー性鼻炎の33名に、プラセボ錠剤あるいは1日あたり「トマト抽出物」360mgを含有する錠剤を8週間摂取させるというもの。調査は、アレルギー日誌による自覚症状(くしゃみ発作、鼻汁、鼻づまり、日常生活の支障度)と、医師による所見をスコア化して行った。   その結果、「トマト抽出物」の摂取群は、摂取前と摂取後で特にくしゃみ発作と日常生活の支障度に関して、有意に改善。また、医師による鼻症状判定においても、摂取群では鼻症状のスコアが有意に改善した。

2005年10月17日 10:51