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統合医療実践者の育成を図る試みがスタート

NPO統合医療塾(事務局東京)は11月3日、東京・砂防会館で「日本版統合医療実践プログラムの発信」と題し、開設記念シンポジウムを行った。   統合医療塾は東京女子医大付属青山自然療法クリニック・川島朗医師が理事長と塾長に就任、実際の講座は来年5月に開講する予定。臨床経験5年以上の医師免許を有する者を公募し、様々な代替医療をコーディネートして統合医療を実践する人材の育成を図る。講義では統合医療の総論に加え、各論として東洋や欧米の医学、心理療法、健康食品の最新情報、医療哲学を含む人文科学系の講義などを行う。また、統合医療の調査・研究・教育・普及に関する事業を行っていくとした。   川島塾長は日本での問題点として、統合医療の定義や十分な実証がなされていないこと、教育機関やテキストがほとんどない点などを指摘。統合医療は西洋医学や補完・代替医療を問わずあらゆる療法の中から、受診者に最適なものを見つけて提供するものとし、「統合医療の実践者は、西洋医学にも精通していることが大前提。現在はお互い距離を置いている感があるが、今後は西洋医学者と統合医療の施行者間の活発な交流が必要」と訴えた。   また、理事の林真一郎氏(薬剤師・メディカルハーブ広報センター)が講演の中で、「統合医療を実践する上で、薬剤師にとって緊急の課題はハーブやサプリメントと医薬品の相互作用の情報提供」と語った。ハーブやサプリメントと医薬品の相互作用は、十分な情報が得られていないが、患者側に情報提供と認識を促すのは薬剤師や医師の務めであるとした上で、「相互作用といっても医薬品の作用を阻害するものや活性化するものなど様々だ。個別の視点だけでなく、栄養学などを踏まえた体系的な見方をしていく必要がある」と述べた。

2005年11月07日 12:55