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コーデックスで食物繊維やトレーサビリティを論議

厚労省と農水省は、9日、「第20回コーデックス連絡協議会」を開催した。  議題のうち、21~25日に開催される「第27回栄養・特殊用途食品部会(CCNFSDU)」の主な検討議題からは、 「栄養強調表示の使用に関するガイドライン:栄養成分表示の条件表案(PartB:食物繊維含有量についてステップ7)」、「健康表示の科学的根拠についての勧告原案(ステップ4)」に議論が集中した。  『栄養・強調表示の使用に関するガイドライン』で栄養素含有量強調表示が定義されているが、各栄養素について強調表示するための条件を策定する作業がCCNFSDUに委託され、食物繊維について検討が行われていることを事務局が説明。今部会では、炭水化物の重合度、生理機能の記述などの定義を中心にさらなる検討が行われる予定であるという。委員からは「食物繊維では日本はトップランナー。機能を分析法で決めるのか、広く専門家の意見を聞いて進めてほしい」、「食物繊維とは何かが決まってないと分析法が決まらない」、「どの分析法を主張するかは、定義を主張することにつながる」といった意見が相次いだ。  「健康強調表示の科学的根拠についての勧告原案」については、事務局が「栄養・健康強調表示の使用に関するガイドライン」に基づく健康強調表示の正当性を評価するための科学的な基準に関する案であると説明。日本では健康強調表示に関わる制度として保健機能食品制度を施行していることから、整合性を考慮しつつ、各国の取り組み状況や国際的な動向等に留意し、対応したいとした。また、フランスを中心にドラフト案(草稿)ができているが、レコメンデーションという形で表示に関する文書の参考にするのか、ガイドラインとするのか検討すると言明。委員からは、「保健機能制度があり、多くの健食が市場化されているが、食生活の問題を踏まえた議論を展開してほしい」といった意見が出た。  28~12月2日に行われる「第14回食品輸出入検査・認証制度部会」では、ステップ4における規格原案及び関連文書の検討事項として、(a)食品の検査認証に係る衛生措置の同等性評価に関するガイドラインの付属文書原案(同等性認定のための要請文書、比較の客観的根拠の決定、同等性の判断過程における詳細項目)、(b)リスクベースによる輸入食品の検査のための原則及びガイドライン原案、(c)食品輸出入検査・認証制度におけるトレーサビリティ/プロダクトトレーシング適用のための原則原案、(d)公的証明書の様式と証明書の作成及び発行のためのガイドライン改訂原案、さらに、輸入食品の不合格品に関する政府間での情報交換のためのガイドライン改訂についての討議資料、食品の検査認証に係る衛生措置の同等性評価に関するガイドラインの付属文書「輸出入国間での技術的援助と協力の必要性に関する情報」の作成についての討議資料について話し合う。  委員からは「(a)についてはSPS協定をめぐってホルモン剤を使用した牛肉の輸入問題などでこじれることが予想されるが、輸入国としての立場を積極的に述べてほしい」、「(c)については違反業者名の公表やペナルティが必要」などの意見が提出された。これに対し事務局は、「トレーサビリティを導入すれば安全になるのではなく、加えて食品安全に関する問題に関連し得る食品事業者や顧客の情報を提供し製品の回収/撤去を可能とするなどの取り組みがあれば、効果が出る。しかし、例えば農家などが小規模すぎて、または技術的にトレーサビリティに対応できないため生産段階ははずしてほしいなどの意見が前回あった」と応じた。

2005年11月14日 16:59