プロポリス研究者協会(PRA)は4日、「第9回プロポリス学術講演会」を都内の早稲田大学研究開発センターで開催した。 始めに、東京衛生病院・水上治健康増進部長が「プロポリスを用いた日本における臨床事例」を講演した。まずは「代替医療だけで病気をコントロールしようとは考えていない。ガンならば、抗ガン剤など3療法でコントロールした上で補完的にプロポリスのような健食を使う統合医療を実践している」とした。また、「豊富な臨床例はあるが、死にかけている人にプラセボを飲ませてモルモット扱いをすることはできない」という理由から、いわゆるエビデンスを得る二重盲検試験を行っていないという立場を明らかにした上で講演を行った。 プロポリスの研究は世界的に論文が多く、米国のデータベースでは772の論文があると説明。プロポリスの薬理効果としては、1.抗ガン作用、2.免疫賦活作用、3.殺菌効果、4.抗ウイルス効果、5.抗アレルギー効果、6.肝庇護効果、7.熱傷治癒効果、8.抗酸化作用、9.抗潰瘍作用を挙げた。 ガンの臨床として、水上氏は500例以上のガン患者に対して他の健康食品と併用しながら、プロポリスの投与を行ってきたと述べた。対象は、基本的にすでにガンの西洋医学的治療を終えたにも関わらず再度転移したか、発見当初から進行ガンで西洋医学的治療が不適応の患者。4大臨床効果としては、 1.QOL改善効果、2.延命効果、3.再発・転移抑制効果、4.化学療法・放射線療法との併用で副作用軽減効果、抗ガン作用増強効果を挙げた。また、日本の抗ガン剤は延命効果がなくとも、すなわちエビデンスがなくとも認可されており毒性も強い実態、従来のガン治療はQOLを無視してきた現状を指摘した。服用量は、20%エタノールエキスとして毎日3~5mlを推奨しており、腫瘍の進行遅延には飲用開始から3ヶ月程度かかるとした。化学療法などの副作用軽減効果は、飲用したその日から発現することが多いという。 ほかに感染症の臨床、アレルギー疾患の臨床についても解説。これらの臨床体験からプロポリスは臨床応用が期待でき、西洋医学との併用が相補的な効果を持つと結論付けた。 次いで玉川大学農学部・松香光夫教授が「最近のプロポリス研究」について講演。プロポリスはアピセラピー(ミツバチ生産物を利用した保健)素材の中でも最も生理活性が強く、代替医療素材として注目度が高いのも当然であると語った。さらにPubMed(米国の医療関係論文記事検索ソフト)による検索結果でも、プロポリス研究は急速に増えており、2005年には11月末までで94報あると報告。特に効能効果に関する研究が大部分で、アレルギーや安全性への関心も高まっているほか、神経保護作用が新たに加わり、携帯電話の長期使用による電磁波による障害にも有効といった現状を説明した。研究を行うにあたっては、カフェ酸フェネチルエステル(CAPE)を抽出して実験で使用するケースが増えているとした。 ほかに実験用プロポリスの生産国がブラジルのほかにも多国化している現状、培養細胞による試験管試験と動物実験が主体で、ヒトでの臨床はまだ少ないといった実態も説明した。
「第9回プロポリス学術講演会」でガン臨床例など報告
関連記事
-
金氏高麗人参、独自素材の紅参熟成エキスで4つの臨床試験(疲労・ストレス、睡眠、冷え、肩こり)を実施
~ランダム化プラセボ対照二重盲検平行群間比較試験~ 金氏高麗人参株式会社は、独自素材の紅参熟成エキスで4つの臨床試験(肩こり、睡眠、疲労・ストレス、冷え)を実施。4つの試験結果は論文として「……
-
メディエンス、世界最大の酵母メーカー・ルサッフル社と日本での独占販売契約締結を発表
メディエンス株式会社は、 世界最大の酵母メーカーであるLesaffre Yeast Corporation (ルサッフル社 本社 フランス)と同社が製造する食品向け亜鉛、セレン、銅などを酵母に取り込ま……
-
株式会社IHM、ナノ型乳酸菌nEF® および植物性ナノ型乳酸菌SNK® の免疫に関わる新たな特許を取得
株式会社IHMが取り扱う乳酸菌原料であるナノ型乳酸菌nEF®および植物性ナノ型乳酸菌SNK®について、 2024 年 3 月 25 日 に新特許を取得した。 【特許番号】特許第7466166 号……
-
ヘルシーナビ、オメガ5 “プニカ酸”が特徴イスラエルN.S Oils 社の『ザクロ種子オイル』の取り扱いを開始
株式会社ヘルシーナビでは、世界中で MediVega ブランドとして販売されているイスラエル N.S Oils 社が製造・販売する『ザクロ種子オイル』の取り扱いを開始、日本国内におけるマーケテ……
-
コンビ、コロカリア®(酵素処理燕窩)の新知見「認知機能低下抑制」を発表
コンビ株式会社は、コロカリア®(酵素処理燕窩)の「認知機能」に関する新エビデンスを取得した。コロカリア®は「燕窩」を吸収しやすいように酵素で処理・加工し、既に健康食品への採用事例が多数ある同社オリジナ……
-
デライト、最高峰のエクソソームでお肌の深部からエイジング&美肌ケア、次世代型美容液が誕生
株式会社デライトは、プロユースのエイジングブランド「デマレ」から、2種類の最高峰「エクソソーム」を高配合、さらに4種の美容有効成分も加え、お肌の深部レベルからエイジングケアだけでなく、保湿によるリバー……
2024年03月15日 12:01 -
小林香料、ピリジノリン高含有、特許コラーゲンペプチド※1を上市
小林香料は新規原料、ピリジノリン高含有コラーゲンペプチド「ビノリッチコラーゲン」の供給を開始する。 ビノリッチコラーゲンは体内コラーゲンが分解した際の特有のフィードバックシグナル成分「ピリジノリ……
2024年02月20日 17:52 -
セラバリューズ、新製法の高吸収クルクミン新素材「セラクルミンスーパー」を国内で販売開始
株式会社セラバリューズは、新素材「セラクルミンスーパー」の販売を開始した。 既に機能性表示食品の原料として販売されている「セラクルミンスーパー」は、クルクミンをコロイド状のサブミクロン粒……
2024年02月16日 12:32 -
セティ、有胞子性乳酸菌「スポルス®」のメンタルヘルスへの影響を発表
セティ株式会社が販売する有胞子性乳酸菌「スポルス®」(Bacillus coagulans/Weizmannia coagulans Unique IS-2株)の新たなメンタルヘルスに与える影響につい……
-
常磐植物化学研究所、新素材「マテソール™」(マテエキス)の抗肥満効果を確認
医薬品・機能性食品・化粧品・研究用試薬における植物化学(ファイトケミカル)製品の専門企業である株式会社常磐植物化学研究所は、新素材「マテソール™」(マテエキス)の動物試験を実施し、抗肥満効果を確認……
2024年01月30日 18:43