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高濃度ジアシルグリセロールに関し4回目の合同ワーキンググループ開催

食品安全委員会は31日、新開発食品・添加物専門調査会合同ワーキンググループ第4回会合を開催した。同ワーキンググループは高濃度にジアシルグリセロール(DAG)を含む食品の安全性を検討しているが、今回は参考人として国立がんセンター研究所・若林敬二副所長が、現在行っている実験の経過を報告した。   国立がんセンター研究所では、「マウス皮膚二段階発がんにおけるDAGのプロモーション作用の検討」として、6週令のマウス130匹を8群に分けて実験を行っている。まず、イニシエーション(発がん物質)としてDMBA(発がん物質の一種)100μgをマウスの背中に塗布、その後、高濃度にDAGを含む食用油(30、100μmol)、大豆油、TPAをそれぞれ週2回塗布した。   この結果、TPA(発がんプロモーション作用が認められる物質)3.2nmolを塗布した群では、12週目で10匹中5匹(50%)に隆起状病変が発生した。これに比して、DAG100μmolを塗布した18匹の群においては17週に、1匹で隆起状病変が確認されたにとどまった。その他の群でも、発生率は低い。   「病理的所見はデータが不足しており判定できないが、肉眼での所見では発がんプロモーション活性は弱いと感じる」と若林参考人は述べ、大半の委員からも「この実験を踏まえた限りではDAGの発がんプロモーション作用の可能性は低いのでは」と、見解を示した。塗布実験の結果を経口的摂取による結果と同一視してしまうことについては慎重な意見が出されたが、リスク評価の上でデータ材料として有用だとした。この実験は、国立がんセンターが独自に行っているもので、現在も継続されている。   高濃度にDAGを含む食品に関しては、厚生労働省が行っている追加試験の結果を待って、改めて議論される予定。

2006年02月01日 18:55