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富士経済 / 「2006年版 生物由来有用成分・素材市場徹底調査」まとめる

 (株)富士経済(本社東京都中央区、阿部英雄社長)は、健康食品だけでなく、化粧品、医薬品、繊維など幅広い分野で応用展開が進む、生物由来の有用成分・素材について調査を行い、その結果を報告書「2006年版 生物由来有用成分・素材市場徹底調査」としてまとめた。調査は、50品目に対して行った。
 同書によれば、動物由来・その他分野では、食薬区分の見直しで食品利用が可能となったコエンザイムQ10、L-カルニチンの成長が著しい。また、高齢者の増加から関節痛を訴える人が増加しており、痛みの緩和に対応するコンドロイチン、グルコサミン、コラーゲン、米国でブームになったMSMも国内の需要を伸ばしている。とはいえ、動物由来素材はすでに成熟期に入っている素材が多く、新しい用途の開発、加工性向上による一般食品への需要開拓が更なる成長のカギといえる。
 植物由来・その他分野では、強力な抗酸化作用でアンチエイジング素材として注目されるアスタキサンチン、ブドウ種子エキスなど新しい素材が多く登場しており、市場は活性化している。また、チョコレートなどの一般食品分野で需要を伸ばすギャバやアイケア素材の定番であるブルーベリーなどは、本格的な成長段階に入っている。キノコ類は、アガリクスのバイブル本騒動、発がん促進作用の発見による商品回収など、消費者不安がキノコ類全体に広がりつつあることから、安全性の徹底、トレーサビリティ、エビデンスの蓄積による信頼回復が求められる。
 製品メーカーは、自然志向、安心・安全志向、健康志向の高まりから生物由来有用成分・素材に注目している。ここ数年、大きな成長を遂げているのは、生活習慣病予防訴求製品、美白・アンチエイジングなどに対応した美容訴求製品、眼精疲労、疲労回復、ストレス解消、痴呆予防などに対応したQOL向上訴求製品が挙げられる。
 BSE、鶏インフルエンザなどの影響による一部の動物素材から魚由来や植物由来へのスイッチや、ブームとなっているカテゴリーでの粗悪品の流通による信頼性の低下などの問題も顕在化している。また、安全な製造体制で科学的に裏付けのある商品の開発に注力する企業が増加している。
 注目される成分の市場規模については、コエンザイムQ10が2005年度113億円、2010年度予測448億円とした。グルコサミンが2005年度18億円、2010年度予測35億円。ナットウキナーゼが2005年度14億円、2010年度予測30億円。ギャバが2005年度13億円、2010年度予測20億円。ハナビラタケが2005年度5億円、2010年度予測21億円。

2006年03月24日 10:00