食品安全委員会は2日、「食品に関するリスクコミュニケーション」を東京・星陵会館で開催した。大豆イソフラボン(アグリコン型)の健康影響評価案が固まったことをうけ、広く意見交換を行うことが目的。2月28日には大阪・大阪YMCA国際文化センターでも同様に行われた。参加者は東京会場で約 150名、大阪会場で約120名となった。
まず、食品安全委員会・寺田雅昭委員長が開会挨拶に立った後、食品安全委員会新開発食品専門調査会・上野川修一座長が導入として、評価案作成の経緯を説明した。このなかで、今回の評価案は大豆由来食品全体の安全性を評価したものではないことを強調。「大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値」は日常の食生活から摂取される大豆イソフラボン量を制限するものではなく、あくまで特定保健用食品などで大豆イソフラボンを上乗せ摂取する場合の上限値を導き出すためのものさしだとした。
続いて同・山添康専門委員が、「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の食品影響評価(案)」について解説を行った。この中でも、今回の評価は大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価であって、大豆や大豆食品そのものの安全性を問題としているわけではない点を強調。安全な一日摂取目安量の上限値70~75mg/日は、毎日欠かさず長期間、少なくとも5年間以上連続して摂取しても安全と考えられる量であり、より安全性を見込んだ慎重な値になっているとした。また、今後、新たな知見が出された場合には、再度、評価を行う必要があると述べた。
その後の意見交換では、大豆や大豆食品への誤解からそれらの摂取を差し控えるといった事態を生まないよう、きちんと説明を行って欲しいとの要望が多くなされた。(財)食品産業センター・花澤達夫専務理事は「『安全な一日摂取目安量の上限値』という言葉自体が一般には理解しにくく、大豆食品に摂取上限量を設定しているように感じてしまう」と述べ、一般消費者へのより詳しい説明を求めた。
また、具体的な数値に関しては、(財)日本健康・栄養食品協会大豆イソフラボン加工食品作業部会・有井雅幸委員から「上限値として95パーセンタイル値を用いているが、統計学では通常97.5や99パーセンタイル値が使う。これを採用した上限値は84mg前後で、現状にフィットしている。そこから考えてトクホ製品での上限値は37mg~43mgぐらいがより妥当なのでは」といった意見が出された。
リスクアンドベネフィットへの考え方も問われた山添委員は、「食品安全委員会は安全性、つまりリスク面のみを評価している。有効性については厚生労働省が評価を行う。両者を考慮して適切な判断が下されることを望んでいる」と答えた。
食品安全委員会 / 大豆イソフラボンのリスクコミュニケーション
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