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ドクターセラム / シルク由来のダイエット素材発売

ドクターセラム(株)(本社東京都渋谷区、吉川育矢社長)は、7月半ばに脂肪を吸着するシルク由来の食品原料「セラム・フィブロイン」を発売する。  この原料は、シルクのまゆからセリシンというタンパク質を除去し、フィブロインというタンパク質に精製し、さらに分子量35万~37万であるフィブロインから限外濾過という方法で1万~3万の分子量にしたゲル状の水溶液。多孔質となっており、この多孔質の部分が脂肪を吸着する。東京農業大学の長島孝行助教授が開発した。セリシンを取り外し、限外濾過する手法は、特許を取得している。脂肪を吸収したフィブロインゲルは、腸管で吸収されるのは分子量 5000以下の物質であることから吸収されず、体外に排出される。  血中に取り込まれず体外に排出されるため、副作用の心配も全くない。また、もともと体内にある18種類のアミノ酸から成っていることも安全性の理由として挙げられる。防腐剤を用いずレトルト包装しており、1年半の賞味期限となっている。無味無臭なので、あらゆるフレーバーに対応可能。  原料のシルクまゆは、経口摂取するものであることから、農薬やヒ素、重金属の問題がある一般の桑の葉を食べている蚕のまゆを使用していない。高級ブランドを展開するエルメスが契約するブラジルの専属工場の、安全性の高い特殊なペーストを食べて育ったまゆのうち、エルメスが自社製品に使用しないくずまゆを輸入している。そのため、まゆの生産量は3ヵ月に1度、2.1tしか確保できない。  現在、すでに大手エステサロンや大手ドラッグストアへのOEM供給が決定しているが、大手健康食品メーカーからの受注は対応できず、断っている状態。今後は、商社経由で特殊ペーストを蚕に食べさせる契約農家を増やし、まゆの生産量を増やすことや、エルメスの契約工場からくずまゆ以外も購入することなどを検討中だ。  同社では、「食べるシルクを販売する企業はほかにもあるが、加水分解しているところが多い。加水分解するとアミノ酸になってしまうので、シルクである必要がない。また、製造方法が大変難しいので、競合他社が出てくるのは1年以上先になるだろう」(同社・吉川社長)としている。

2006年04月21日 10:00