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新社会システム総合研究所 / アンチエイジング医療セミナー開催

 (株)新社会システム総合研究所(本社東京都港区、小田中久敏社長)は5月31日、「アンチエイジング医療の最前線(実践編)」と題したセミナーを明治記念館にて開催した。
 その中で順天堂大学医学部助手で、松倉クリニック&メディカルスパの医師の長谷川敏男氏は「松倉クリニック&メディカルスパにおけるアンチエイジング治療-シワ治療を中心に-」をテーマに同院で行っているアンチエンジング治療、皮膚老化のメカニズムについて語った。
 まず従来の美容医療の対象は重瞼術、隆鼻術、豊胸術などの美容外科的治療が主体だったが、近年はシミやシワ、毛穴の開きなどの皮膚の老化やコンディションなどの問題が治療対象となってきている現状を取り上げた。
 次にシワは、深さにより表皮性のシワ、真皮性のシワ、たるみの3つに分類され、表皮性のシワには化粧品による保湿で対処が可能とした。そして真皮性のシワに対する治療法は近年急速に発達していると説明した。治療法としてはケミカルピーリング、レーザー、光治療などの手段で表皮と真皮の両方を刺激して真皮のコラーゲン産生を高める方法や、コラーゲン・ヒアルロン酸などの物質をシワの陥没部分の皮下に注入する手法を挙げた。
 抗シワ物質として、真皮の線維芽細胞活性を亢進させるビタミンA類(レチノイド)と酸化ストレスを抑制する作用をもつビタミン(C・E)、CoQ10などを挙げた。前者は治療的で後者は予防的だ。今後シワ治療効果のある、さらなる新規物質の開発が期待されていると述べた。
 また皮膚老化は経年老化と光老化に大きく分類されるが、真皮の線維の変性や減少は主に光老化によることが判明していると述べた。光老化とは紫外線により真皮の線維を切断する酵素活性が亢進し、皮膚の老化を早めるもの。このことから老化の予防には日焼け止めの使用が重要であると強調した。有効な日焼け止めの使用方法として、2~3時間ごとに塗り直すこと、量は十分に塗ることを挙げた。日焼け止めはSPF15以上で紫外線透過率が5%以下となることから、これ以上SPFが高い数値であっても大差はないとした。それに加え、光老化を促進する活性酸素などの酸化ストレスを予防する必要があると強調した。

2006年06月02日 10:00