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ポーラ化粧品研究所 / “アルギン酸誘導体”の乳化剤活用に成功、油溶成分の浸透性高める

 ポーラ化粧品研究所(佐野文比古所長)は25日、海藻中に含まれる高分子物質“アルギン酸”の化学構造の一部を変えた“アルギン酸誘導体”により油を乳化することに成功、同成分を乳化剤として活用することで油溶成分の肌への浸透性を高めた処方開発が可能になったと発表した。
 一般的な乳液は乳化剤を用いて水の中に油を分散させているが、時間の経過と共に油滴が凝集・合一し水と分離してしまうため、油滴の周りに膜を作り安定化させていた。しかし、油滴の安定化を高めすぎると乳液を皮膚に塗布した場合、油滴の一部が破壊されず、油滴中に含まれる成分の皮膚への浸透を妨げるなどの問題点があった。
エマルションの図
 一方、“アルギン酸誘導体”を用いた乳液は油滴膜が柔らかいので、肌に塗布すると油滴が素早く崩壊する。そのため、油滴中の油溶成分の経皮吸収性が高く、従来の乳液と比較して浸透率は約2.4倍となった。使用感はなめらか。また油滴の凝集・合一を防ぐために“アルギン酸誘導体”で乳化した油滴同士を“アルギン酸”で架橋し、安定性を高めるという方法を採用、安定性を高めた。
成分の浸透性評価の図 この研究成果は今秋発売の化粧品に生かされる予定。また、10月に大阪で行われる世界化粧品技術者会でも発表する。

2006年08月30日 10:00