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Jハーブ / ヒューペルジンAを豊富に含む中高年層向け生薬サプリメントをツムラと共同開発

「千層塔」 (株)Jハーブ(本社東京都千代田区、亀井眞樹社長)は6日、“千層塔(日本名トウゲシバ)エキス”を含有する健康補助食品「千層塔」を上市した。同社が十数年前より(株)ツムラと共同研究・開発を進めてきた、世界の脳科学研究者に注目されている成分“ヒューペルジンA”を豊富に安定した状態で配合することに成功。自社ネットショップでの直販および調剤薬局・薬店、一部健康食品店での販売を開始した。
 “千層塔”は日本全土及び千島、サハリン、朝鮮半島、中国など広くに分布する常緑シダ植物の全草。古くから解毒、消腫、肺炎、収斂性止血などに生薬として用いられてきた。また近年中国では加齢による精神機能の変化の修復やアルツハイマー型痴呆症にも用いられ、上海科学院上海薬物研究所などで研究が進められた結果、一定のエビデンスを得ているという。
 アルツハイマー病の発症原因についてまだ途上ではあるものの、徐々に解明がなされてきた。神経伝達物質である“アセチルコリン”が脳内で減少することによって誘引されるというのが現在のところ有力な情報だ。したがってアルツハイマー型痴呆症の治療薬開発では、“アセチルコリン”の分解酵素“アセチルコリンエステラーゼ”の効果を阻害する物質の開発が趨勢を占めている。
新製品の隣にあるのが原料となる「千層塔」を乾燥させたもの この阻害物質として学会でも注目されているのが上記の“ヒューペルジンA”。“千層塔”のアルツハイマー病に対する有効性及び活性成分に関する研究が海外で進められ、“アセチルコリンエステラーゼ”の効果を阻害する化合物が“ヒューペルジンA”であることが明らかになった。ツムラの研究所においてこの“ヒューペルジンA”の中枢神経系への作用について検討がなされ、“ヒューペルジンA”は選択的に“アセチルコリンエステラーゼ”を阻害し、副作用も少ない化合物であることが判明した。
 ツムラは、“ヒューペルジンA”の医薬品としての開発も視野に入れて研究を重ねたが、結果的にはこれを断念。その後ツムラとツムラより健康食品事業の営業を譲渡された同社は共同して中国全土から収集した生薬の鑑定・分析を進めた。そして“ヒューペルジンA”を安定して豊富に含んだ“千層塔”の有用起源生薬種の選定と品質確保、製造法の確立、品質管理への導入を果たすことができたとして、同社より健康補助食品として上市することとなった。
 「千層塔」は税込価格120カプセル・8820円。同製品1カプセルあたりに“千層塔エキス”25mg、“DHA(ドコサヘキサエン酸)”99.6mg、“PS(ホスファチジルセリン)”30mg、“GABA”18mg、“アスタキサンチン”0.15mg、“ビタミンB6”0.25mg、“ビタミンE”15mg、“ミツロウ”10mg、“グリセリン脂肪酸エステル”10mgが含まれる。
 
亀井眞樹社長 同社は同新製品の発売に先駆け、薬学の研究者や有識者、薬剤師などを集めて勉強会を開催。神経内科医及び漢方医として代々木公園診療所で院長を務め、同社代表でもある亀井社長による講演では、アルツハイマー病患者の現状と統合医療の必要性を解説。
 同社長は「クリニカルエビデンスばかりに頼ってきた西洋医学のあり方について、イギリスなどではすでに猛省が始まっている。わたしはサイエンスエビデンスとナレイティブエビデンス(患者症例などで語られるもの)の両輪で分析を進めていくべきだと思う。人にとってその成分が役立つかどうか、という見地こそが重要だ」と語り、臨床医ならではの見解を示した。

2006年09月15日 10:00