コンビタジャパン(株)(本社神奈川県横浜市、原田俊男社長)は8月21日、東京・情報オアシス神田で「マヌカハニーの抗菌特性」と題し、セミナーを開催。マヌカハニー研究の第一人者であるニュージーランド国立ワイカト大学教授、ピーター・モラン博士を招聘した。今回はマレーシアで開催された蜂蜜の医療使用に関する、第一回国際シンポジウムへの出席に先立っての来日となった。
モラン博士はワイカト大学の生物科学教授並びに蜂蜜研究科学科長を勤め、20数年にわたりマヌカハニーの抗菌特性や有用成分の分析、研究を重ねてきた。ワイカト大学で自然抗菌性物質の研究に従事する中、特に蜂蜜の抗菌性に関心を持つ。そして1982年、一部のマヌカハニーに特有の抗菌性特質を発見した。
博士はこれを“マヌカハニー独自のもの”として「Unique Manuka Factor(ユニーク・マヌカ・ファクター)」(以下UMF)と命名、抗菌活性のレベルを数値化した。標準的な抗菌物質であるフェノール溶液とその抗菌作用を比較。数値が高ければ高いほど抗菌性が高いことになる。この数値をUMF™値として表記できるのは、ニュージーランドのアクティブ・マヌカ・ハニー協会から認可されたもののみ。現在のところ一番高いUMF™値は32+。しかし、自然界で採れるマヌカハニーのUMF™値の最高値は20+で、この数値以上のものは整えられた環境下での長期保存が必要となる。通常10+の数値で十分な抗菌活性を示すという。
博士はセミナーの冒頭でマヌカハニーの歴史に触れた。「マヌカハニーが創傷包帯として使用されていたことが、紀元前2200年ごろのパピルスに記されている。紀元前より軟膏や目薬、疫病の薬、潰瘍の治癒などさまざまに活用された記録も多く残っている。現代の医師たちはこうした事実を無視しているのではないか」と話した。同時に「私は20年以上もマヌカハニーの有用成分の特定をすべく研究をしてきたが、いまだ作用機序の解明には至っていない。一日も早く突き止めたいと考えている」と話し、医学的見地はまだ確立されていないことを明らかにした。
すべての蜂蜜は“カタラーゼ”(過酸化水素を酸素と水に分解する酵素)の存在しない環境下においては抗菌性を保持できる。しかし人体の場合、その体内のどこにでも“カタラーゼ”が存在しているため、抗菌物質である“過酸化水素”は酸素と水に分解されてしまう。ところがマヌカハニーだけは、その抗菌活性を保ったままだという。“過酸化水素”以外の抗菌活性はマヌカハニー独自のものである。
マヌカハニーの抗菌活性についてレポートされている事例は、「“ピロリ菌”、“黄色ブドウ球菌”、“緑膿菌”、“サルモネラ菌”などのバクテリアの殺傷作用、潰瘍や腫瘍に対する活性、抗炎症作用、抗酸化作用などがあり、MRSAなどの感染症にも有用。また滲出液を伴う重篤な創傷、小児の細菌性下痢、各種眼科疾患、歯周病、ヘルペスなどにもマヌカハニーの抗菌活性は有効というケーススタディがある」とした。
博士は「細菌が有用な抗菌剤であるペニシリンへの抗体を持ち始めた事態は深刻で、新しい抗生物質の発見が待たれている。メディカル・ジャーナルでもさまざまな症例が取り上げられており、今後医療の分野でマヌカハニーの抗菌作用、抗炎症作用などの特性を活かす機会は増えるはずだ」と話す。実際ニュージーランドでは海藻を加工した包帯にマヌカハニーを浸み込ませた「APINATE™ DRESSING Active Manuka Honey & Alginate Fibre Dressing」という10cm角の包帯が開発された(日本国内では入手できない)。
また博士はマヌカハニーが世界中から注目を集めつつあっても「ニュージーランドの自然とマオリ族(昔からマヌカの恵みを受けた原住民族)の平和が乱されることがあってはならない」と、セミナーを締め括った。
セミナーを主催した同社・原田社長は「現段階ではあくまでも健康食品としてマヌカハニーを入手できるのみ。しかし、東北大学医学部の形成外科が臨床的な研究を検討しているという話は聞いている。将来的には代替医療や統合医療の現場で活用できる可能性はあると思う」とした。
コンビタジャパン / ピーター・モラン博士を招聘し、マヌカハニーの抗菌特性に関するセミナーを開催
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