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富士経済 / 明らか食品などの市場の調査・分析をまとめる

 (株)富士経済はこのほど、機能より味覚面を重視する健康志向食品の分野を、明らか食品とドリンク類に分けて市場の構造やトレンドについての調査・分析を行った「H・B・フーズマーケティング便覧2007 NO.1」としてまとめた。
 それによると、2006年度の市場規模は対前年比2.2%増の1兆2235億円になると見込まれる。明らか食品が「栄養バランス食品」や「口臭予防食品」での増加推移を受け順調に販売を拡大しているのに対し、ドリンク類は減少推移が続いている。
 効能別の動向を見ると、5大栄養素の“たんぱく質”、“脂質”、“炭水化物”、“ビタミン”、“ミネラル”を配合した「栄養バランス食品」の市場規模は2006年度の見込みが817億円、2007年度予測が対前年比4.7%増の855億円としている。食事代替をコンセプトに拡大してきたが、大塚製薬(株)の「ソイジョイ」を始めとするブロックタイプ、ゼリータイプではそれぞれビジネスシーン、スポーツシーンでの使用を提案し、新たな需要開拓が図られている。また、食感を工夫したり、フルーツ・穀物類を使用するなど味覚面での商品バリエーションの充実が重要視される傾向にある。今後も商品アイテム追加が積極的に行われ、競争激化が予想される。
 「視覚改善食品」の市場規模は2006年度見込みが151億円、2007年度予測が対前年比4%増の157億円となっている。2005年には“カシス”を配合した明治製菓(株)の「カシスi」が発売され、“ブルーベリー”に続く新素材の誕生によって2006年度も市場が広がった。パソコンの使用機会の増加などにより視覚改善作用に対するニーズは今後も高まるとみられる。市場の中心となるヨーグルト類は、ヨーグルトの健康性と“ブルーベリー”の持つ機能性と良好なイメージがあいまって、更なる需要の拡大が見込め、安定的な成長が期待される。
 「覚醒効果食品」の市場規模は2006年度が203億円を見込み、2007年度は対前年度比3%増の209億円と予測している。即効性のあるドリンク類が登場したことで活性化しており、今後もドリンク類が牽引する形で市場はプラス推移していくとみられる。ドリンク類は、従来の夜間帯の購入に加えて、日中の眠気対策として需要を拡大しつつある。利用シーンの広がりによりCVSでの扱いが増えるとみられるが、陳列スペースが限られているため、医薬部外品のドリンク剤との競争が激化するとみられる。
 その他、「美肌効果食品」では“コラーゲン”ドリンクが急拡大し、「整腸効果食品」では高機能型を含めたヨーグルト類が順調に推移している。「口臭予防食品」では舌の汚れに着目した江崎グリコ(株)の「BREO」や味覚やオシャレ感も兼ね備えた(株)ロッテの「ACUO」など新コンセプト商品が登場している。2005年度に大幅に減少した「生活習慣病予防食品」と「マルチバランス食品」に関しては、落ち込み幅が減少することが見込まれる。

2006年12月05日 16:40