NPO日本サプリメント臨床研究会は1月19日、東京都港区で「パロアッスルセミナー2007」を開催、業界関係者ら約40人が参加した。“パロアッスル”は今注目を集めつつある南米・パラグアイ原産の天然自生ハーブ。セミナー当日は健康食品関連会社、エム・エイチ・ビーの副社長で農学博士の細山浩氏が「メタボリックシンドローム市場におけるパロアッスルの役割」、NPO日本サプリメント臨床研究会の代表理事で薬学博士の長谷川秀夫氏が「パロアッスルにみるアディポネクチン、HDL、腹囲、中性脂肪の最新ヒトデータ」をテーマにそれぞれ講演した。
細山氏は生活者やメディアが注目し、行政が取り組みを推し進めているなど、メタボリックシンドロームを取り巻く最近の状況を報告し、その市場が現在拡大しつつあることを強調。メタボリックシンドロームに関する要因や対策などについても言及した。その中で、薬に関しては「効果があるものの、一時的に改善しても、また繰り返す可能性が非常に高く、副作用の問題もある」と指摘。その一方、一般の食品は自らの健康状態を底上げすることによって、代謝機能を改善。死の四重奏にも対応できるため、「非常に好ましい」とした。ただ、一般の食品はその中身が昔より質が悪くなっているため、「摂取しているだけでは十分とはいえない」と指摘。そのうえで、「健康食品やサプリメントの助けがないと、老化で衰えた代謝機能を復活させることは難しい」とこれらを活用することの重要性を訴えた。
“パロアッスル”に関しては「食品としての安全性が担保されており、原料の機能性や成分も食品としてきちんと規格化されている。機能を示すデータもあり、ある程度、メカニズムも分かっている」と報告。こうしたポイントを満たしているものが「我々の代謝機能を上げ、メタボリックシンドローム対策の候補にもなる」と述べた。細山氏は「メタボリックシンドロームで困っている人は多く、市場も広がっている。この対策は健康食品をうまく活用していくこと。そこにビジネスチャンスもある」とまとめた。
一方、長谷川氏は男性を対象とした群内比較試験で、脂肪細胞から血液中に分泌されるホルモンであるアディポネクチン、メタボリックシンドロームの診断指標となる腹囲、中性脂肪およびHDLコレステロールに及ぼす“パロアッスル”の影響を検討した。その結果、“パロアッスル”摂取後の数値が腹囲と中性脂肪で減少、アディポネクチンとHDLコレステロールで増加。パロアッスルがメタボリックシンドロームの予防に寄与しうることをうかがわせた。
今回の被験例は25例で、被験者は29~59歳の男性。“パロアッスル”を2週間連日摂取したところ、腹囲の平均値は摂取前の88.6±1.8㎝から摂取後86.8±1.8㎝へと減少した。その平均減少量は1.7±0.5㎝で、最大減少量は7.0㎝だった。アディポネクチンの平均値は摂取前の3.07±0.75μg/mlから摂取後3.54±0.77μg/mlに増え、HDLコレステロールは46.1±1.5mg/dlから51.4±1.7mg/dlへと増加。中性脂肪は145.8±17.7mg/dlから133.6±12.4mg/dlに減少した。
腹囲が減少したことから、アディポネクチンの増加背景には「内臓脂肪の減少が示唆される」とみる。その作用機序については「β3-アドレナリン受容体の関与が考えられる」と同氏。脂肪細胞に多く発現するβ3-アドレナリン受容体が刺激されることによって、脂肪の燃焼が促進し、肥大した脂肪が縮小した結果、脂肪細胞でのアディポネクチンの産生と分泌が増加したと推察している。“パロアッスル”の摂取で、HDLコレステロールが増加し、中性脂肪が減少したことは、HDLコレステロールと中性脂肪が動脈硬化や肥満と直接関連するため、「その意義は大きい」とみている。
「パロアッスルセミナー2007」 / NPO日本サプリメント臨床研究会「パロアッスルセミナー」開催
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