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社福協 / 機能性食品の活用をテーマに、「第11回健康フォーラム」を開催

 社福協は18日、機能性食品の活用をテーマに、「第11回健康フォーラム」を開催した。
 最初に全国消費者団体連絡会・神田敏子事務局長が登壇。「機能性食品~消費者が正しく活用するために~」をテーマに講演した。神田氏は健康食品を巡る諸問題が起きていることを指摘。正しい表示・分かりやすい情報提供、安全性の確保などを求めた。
 次いで、せんぽ東京高輪病院・足立香代子栄養管理室長が「病院での機能性食品の活用」と題し講演。血圧が高めの人には“ペプチド”などのトクホを、血糖値が高めの人には“難消化性デキストリン”を始めとする“食物繊維”や“豆鼓エキス”などのトクホを、コレステロールが高めの人には“食物繊維”や“大豆タンパク”などのトクホと抗酸化物質を、中性脂肪、体脂肪が高めの人には“EPA”、“DHA”、“中鎖脂肪酸”、“茶カテキン”などのトクホを、お腹の調子を整えたい人には“オリゴ糖”、“乳酸菌”、“食物繊維”などを投与していると紹介した。なお、必ずしも投与するにはトクホにこだわらないが、動物実験データもない健康補助食品は使用しないとした。
 続いて、医療法人社団医清会理事長、マイシティクリニック院長、新宿区医師会統合医療検討委員会担当の平澤精一氏が「エビデンスに基づいたサプリメント処方の検討」をテーマに講演した。機能性食品を活用するには、まず“ビタミン”と“ミネラル”の摂取が必要と前提。医療従事者にとって身近で安価な血液生化学検査データに、新しい治験による臨床栄養素学的解釈を加えることで、サプリメントの処方が可能になると言明。“ビタミン”は補酵素として補っている酵素を測定することにより、“ミネラル”は活性中心として保持する酵素の量を測定すれば、不足度や有効性が分かるとした。また、その他、“タンパク質”や“アミノ酸”や抗酸化物質の不足に関しても、酵素の測定で判断できると説明。実際に、酵素の測定によりサプリメントを投与、数値が改善した臨床例を紹介した。また、医師にとって好ましいサプリメントとして、GMP基準に準じており、生成過程で栄養素が破壊されていないこと、“ミネラルイオン”はアミノ酸キレート状態の方が吸収が速く組織内に多く貯留されるため望ましいこと、全体食を基盤にしたものであることなどを挙げた。その他、“ノコギリヤシ”の前立腺ガンに対する有効性、遺伝子解析法による肥満症・メタボリックシンドローム対策についても言及した。
 最後に、名古屋大学大学院生命農業研究科食品機能化学研究室・大澤俊彦教授が登壇。「バランスよく抗酸化機能食品を活用するには」と題し講演した。480もの抗酸化食品因子を探索したが、中でもゴマに含まれる“セサミノール配糖体”に動脈硬化抑制作用、大腸がん抑制作用があること、“カカオマスポリフェノール”に動脈硬化抑制作用があることを報告。また、“クルクミン”が酵素で変換されることが明らかになった“テトラヒドロクルクミン”に、脂質過酸化抑制、大腸がんの抑制、乳がんの抑制、腎臓がんの抑制効果があることを指摘した。さらに、活性酸素によって体の成分が傷害を受け、それに伴い生じる酸化修飾物(生成物)が組織、血液、尿中に出現するためその量を測定することで、体の酸化と還元のバランスが分かる健康評価の指標になると結論、抗体チップを開発したと発表。食品抗酸化力の統一指標の確立を目指し、アンチオキシダンユニット研究会を設立したことを報告した。

2007年06月18日 17:30