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抗疲労研究所 / 創立1周年記念講演会を開催

 (株)抗疲労研究所(東京都港区、池内眞弓社長)は19日、創立1周年を記念した講演会を東京海洋大学品川キャンパス楽水会館にて開催した。
 最初に高輪メディカルクリニック院長であり東海大学医学部教授・久保明氏が登壇。「抗加齢医学と機能性食品from Evidence to Practice」と題して講演した。久保氏は、サプリメントの成分を検証する際、医療従事者と健康食品に関係する専門家の間で、どのような数値で評価するのか十分に情報が共通されてないこと、指標の設定を「発症の予防」とした場合と「再発の予防」とした場合では結果が異なってくることを指摘。これらは臨床的指標が明確でないことが要因であるため、今後は対象者の選定・期間・投与法を見直し、副作用事例のあったネガティブなデータも開示していくことを訴えた。また、このような取り組みが、エビデンスの質を高め、機能性食品が治療を目的に利用される可能性を広げるであろうとした。
 次いで、東京海洋大学保健センター教授・木谷誠一氏が「日本茶べにふうきによるアレルギーに対する保健効果」について講演。現代社会では、食生活やライフスタイルの多様化が進行すると同時に、アレルギー症状も多様化している。また、ステロイド等の薬剤の副作用が懸念され、アレルギー症状を自覚しているにもかかわらず薬剤の副作用を恐れ、積極的に治療に臨むことができずに症状に悩む人も少なくない。そこで、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、季節性アレルギー患者それぞれに抗アレルギー作用のあるべにふうきの緑茶を飲用してもらいIgE-RIST(血液中の全てのIgE値測定すること。IgEとは血液に含まれているタンパク質の一種であり、敏感な体質の場合は副作用的な反応を示す)と好酸球数(アレルギー反応の制御を行なう白血球の一種である好酸球の数)を集計。気管支喘息と季節性アレルギー鼻炎の患者はIgE-RISTに有意な減少が認められ、好酸球数も減少傾向がみられた。アトピー性皮膚炎患者においてはIgE-RASTは有意ではなかったものの減少傾向はあり、自覚症状での軽減も認められた。以上の結果から、日本茶べにふうきを摂取することにより主観的にも客観的にも有意な改善が認められ、アレルギー症状の軽減に役立つものであると報告した。
 続いて、(財)日本健康・栄養食品協会 特定保健用食品部部長・橘川俊明氏が、「特定保健用食品の現状について」をテーマに講演。特定保健用食品の発足とその変遷について語った。トクホ表示許可の早期取得としては、OEMなどの再許可、規格基準型特保などハードルの低い分野から挑戦することを提案した。
 第一部最後は、茨城キリスト教大学教授であり国立健康・栄養研究所名誉所員の板倉弘重氏が「抗酸化と健康寿命」と題して講演。健康寿命を延ばすためには未病の段階で健康について考え、いかに病気にならないかという努力が重要であり、この時点でのサプリメントや特定保健食品といった機能性食品で予防していくことが基本的な対策であるとした。しかし、サプリメントを使用する際、作用機序や作用部位を理解できていないケースが多いため、目的や体力などに応じた活用方法をアドバイスする必要があるとした。
 第二部では、同社としては第一弾製品となる抗疲労サプリメントを発表。今後も「Marine Academy」というブランド名を掲げ抗疲労サプリメントの研究・開発を続け、他社との提携及びOEMについて進めていく考え。
 同社・池内代表の指導教授である、東京海洋大学大学院教授・矢澤一良氏は、予防医学の重要性と機能性食品の活用について解説し、同社がもっとも力を入れ研究・開発してきた抗疲労作用や持久力向上につながる機能性素材として、第一弾サプリメントに配合された“アスタキサンチン”、“DHA”、“ホップ”の有用性について述べた。“アスタキサンチン”は持久力強化・抗酸化力を持ち、“DHA”は血流や血行改善・赤血球機能強化・抗炎症作用が、“ホップ”には代謝促進・抗ストレス作用がある。矢澤氏は「それぞれ肉体と精神の疲労に対し働きかける作用が違う成分であり、それらを組み合わせることでの相乗効果を狙ったサプリメントである」と語った。
 同社は、東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科博士課程に在籍する池内代表により2006年3月に設立された。本社を同研究科ヘルスフード科学寄付講座内に置く。主な事業は、機能性食品(ヘルスフード)の研究、機能性食品の基礎研究、前臨床研究受託・コンサルティングなど。受託した研究は同大学と共同で実施するため、施設整備などの経費がかからず、費用も安く抑えられる。同大学としては初の試みである学生ベンチャー企業。

2007年06月21日 16:20