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原料メーカー研究者に聞く

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<一丸ファルコス 池田隆 開発部 製品開発一課 リーダー>

多角的な提案を可能にするユニークな機能性原料の開発を強化

――社員の約3割が開発部に属する研究・開発型企業と言われています。 

池田 開発部は、 基礎研究と製品開発に分かれており、 製品開発はさらに3つに分かれます。 私の所属する一課は化粧品、 二課が食品、 三課が共同開発業務となっています。 安全性や有効性など各試験データも取得できる環境にあり、 また薬事法対応や特許申請・取得ができる知財部門も備えています。 

――池田リーダーの開発領域は。 

池田 ヘアケア素材を中心に製品開発を行っています。 「プロティキュート」 や、 最近では 「フィトケラスターZ」、 新開発の 「メドウラクトンVE」 など髪の保湿やツヤ、 クシ通り、 残留性を高める原料でお客様から高い評価を頂いています。 

――開発する際、 心掛けているポイントを教えて下さい。 

池田 弊社が提供する原料は、 化粧品を構成している成分のほんの一部に過ぎませんが、 他にはない目を引く機能性であったり、 素材が持つストーリー性をうまく引き出すことを心掛けています。 また、 提案方法もアプリケーションごとパッケージ提案することで、 多様化したお取引先様のニーズに応えようと心掛けています。 当社としても多角的な提案が可能な機能性原料の開発に注力しています。 

――これまで開発してきた中で特に思い入れのある原料は何ですか。 

池田 どの開発原料もそれぞれ思い入れはあります。 当社は天然由来原料を多く取り扱っていますが、 合成原料の開発も強化しています。 例えば、 「メビジェル」 は、 低温時は親水性ポリマーとなり流動性のあるゾル、 昇温時に疎水性ポリマーとなりゲル化 (固形化) する温度応答性合成ポリマーで、 パックや保水性の高い被膜剤として提案しています。 天然、 合成問わず、 「メビジェル」 のようにコンセプトとしても面白い原料は、 当社の開発力を知ってもらうチャンスでもあります。 今後も1つでも多く“感動していただける原料”の開発を行っていきます。 

――最後に、 今後期待する分野は。 

池田 新開発した 「メドウラクトンVE」 は、 メドウフォーム油という植物油脂の構造を少し変えて、 毛髪へ化学結合し修復する新しい概念のヘアケア素材です。 

こうした天然原料で機能性を高めた原料開発は弊社の基盤技術であり、 今後も推進する方向性の一つです。 また、 ニーム葉抽出エキス 「ニームリーフリキッドB」 のように、 生物多様性条約 (CBD) の精神に基づきニーム原産国であるインドへの植樹協力や利益還元を実施するなど、 資源国への貢献や配慮を行い原料サプライヤーとしての社会的責任を果たしていくことも今後の継続的な課題として取り組んでいきます。 

2010年02月02日 15:20