国内では通信販売を主力として展開しているジャパンオーガニックのオーガニックスキンケアブランド 「ドゥーオーガニック」 (全6品、 2400~7200円) が、 海外初進出となる香港で好調な売れ行きを見せている。 昨年12月の発売後1カ月間で約500個を販売したほか、 1月は約300万円、 2月は200万円 (旧暦の正月と春節の休暇で販売日数は少なかった) の販売実績となった。 松井弘之社長は 「高く設定した計画値に対して、 計画通り好調に売れている」 と述べ、 好感触を示した。
通販を主体にした国内販売に対し、 香港では現地法人が運営するオーガニック認証化粧品専門店 「ビヨンド・オーガニック」 4店とスパの計5店で対面販売を行っている。 どの店舗も香港の中心街に位置する大規模SC内にあり、 連日、 富裕層や若い女性らで賑わいを見せているという。
販売アイテムは、 日本と共通した全6品のラインナップ (価格は日本の約1・1倍) で構成した。 香港で人気を集めているのは 「マッサージ バッグ (マッサージ料)」 (6個入り、 3000円) で、 総売上の約30%を占める。 化粧水などが主力商品となる日本とは好対照な状況といえる。
この点について松井社長は、 「香港のお客様は、 効果感や即効性を求めている。 また、 日本が通販メインなのに対して、 香港では販売スタッフがお客様と対話しながら販売するという中では、 この製品が手に取りやすいのでは」 としたうえで、 当地のニーズと販売方法の組み合わせがこうした状況を生み出したと自己分析している。
香港の販売事業は、 現地スタッフ約20人で構成している。 始動前には松井社長が当地を訪れてスタッフへブランドコンセプトや販売方法に関する教育を行った。 また、 3月には再度のスタッフ研修を実施したことでお客を迎える面々のモチベーションが向上。 3月以降の売上増に期待が持てるとしている。
香港では富裕層を中心にオーガニック化粧品への関心が高まっていることに加え、 日本のモノづくりに対する好意的なイメージが根強いことから、 「ドゥーオーガニック」 の上陸は高い関心を持って受け入れられた。 3月2日に実施した発表会には、 多くの報道陣が集まり、 当日は松井社長が現地メディア計11社の個別取材に応じた。
一方、 発売から3カ月を経て見えた課題として、 「ビヨンド・オーガニック」 競合ブランドと比較した場合に 「アイテム数が少ない」 とことが判明。 香港市場には鮮度に対し強いニーズがあることから、 新製品や地域限定アイテムの定期的な投入でリピーターを育成していく方針を固めた。
さらに、 強化項目として販売方法を挙げている。 「当社やブランドの考え方、 コンセプトに共感して買っていただくところに結びつけるためには、 お客様との直接的な対話やスタッフのカウンセリング力向上が要る。 そのため人材教育の充実化が必要となる」 (同)
松井社長は、 今後の海外展開について積極的な構えを見せる。 香港の好調な滑り出しを受けた次なる一手として、 「早ければ4月」 にロシアモスクワへの進出に照準を合わせている。 日本や香港と同一の商品構成により、 富裕層を中心ターゲットと想定。 さらに、 同社長はヨーロッパ進出にも強い意欲を示しており、 具体的にはフランスでの展開を計画しているという。
「ドゥーオーガニック」 は国内においても店舗販売を強化しており、 百貨店や量販店、 ビューティ特化型のドラッグストアなど26店舗 (3月8日時点) で展開している。 2009年に11店舗だった新規出店数は、 2010年は既に13店舗と出店ペースが加速している。 これに対し中心軸に据える通販は、 「顧客との接点の取り方が難しい」 ことから、 店舗を強化することで得られるブランド認知を通じ通販との相乗効果を狙っていく。