リラクゼーション効果に加え、頭皮のトラブルにも対応するヘッドスパが、癒し系サービスの成長分野として脚光を浴びている。そうした中、専門性に力点を置いた進化系のヘッドスパとして注目を集めているサロンがある。東京・恵比寿のヘッドスパ・クリームバス専門サロン「Simple idea Relax（シンプルアイデアリラックス）」を訪ね、その秘密に迫った。
土塗り風の壁にやわらかい色調の内装。タイル張りの施術室は、間接照明とヒーリングミュージック、そしてアロマの香りが五感を心地よく刺激する。一歩足を踏み込むと、そこは非日常のぜい沢なプライベート空間で、一瞬にして時間の流れが緩やかに感じられる。
癒しの場として細部に至るまでこだわりを追求するからこその“ぜい沢”だが、同スパが注目集めるのは、そうしたことだけではない。“毛髪のスペシャリスト”としての専門性の追及がむしろ、それ以上に大きな要素ともいえる。「私どものスタッフは全て元美容師。それも3年以上の経験者です。ヘッドスパは癒しのサービスであると同時にヘアや頭皮に対するケアの場でもあります。ですから、単なるリラクゼーションにとどまらず、“頭”の専門家として、医師にできる手前の部分まではできる限りお応えしたいと私どもでは考えています」と同スパのディレクター・室崎くるみ氏は説明する。
“専門店”としてこだわりは、その施術方法に凝縮されている。いわゆるマニュアルにあるような通り一遍の施術ではなく、本当に必要で効果の期待できる方法を徹底的に研究。東洋医学、西洋医学、医療関係者、そして著名なエステティシャンなど、多様な意見・理論を分析、解析し、取捨選択しながら、納得がいくまで試行錯誤を繰り返し、他にないオリジナルの施術プログラムを完成させた。
「このスパは、美容師だったオーナーが、顧客が頭髪に関する相談へのニーズが非常に高いにもかかわらず、しっかりと対応できる美容師が少ないと感じたところが出発点。ですから、スタッフの採用に元美容師ということにこだわっていますし、施術内容・技術についても一切、妥協はできないんです。これで完成ではなく、今後もお客様や専門家などの意見を取り入れながら、より良い施術の追求を続けていきます」(室崎ディレクター)。
考え抜いたサービスをベストの形で提供するために、同スパではイスの高さやすわり心地、使用するヘアケア用品などにもこだわるほか、サービスを提供するスタッフの労働環境にまで配慮する。ベストの空間と心と技術。リラクゼーションを超越したサービスの追及は、心地よさとともに着実に顧客のハートに浸透。大々的な宣伝はしていないものの、結果的に好意的なクチコミの輪を拡げ、多くの支持を集めている。
料金はベーシックの70分コースが9,450円、40分のショートコースが5,775円。コースメニューは育毛集中スカルプケア（85分）が1万2,600円、リッチヘアトリートトメント（90分）が1万4,700円、オールハンドリラクゼーション（110分）1万5,750円。クリームバスが6,300円（40分）～など。オプションメニューとして炭酸泉、ハンドオイルマッサージ、まつ毛パーマなどもある。
