株式会社 総医研ホールディングス(本社:大阪府豊中市、代表取締役:梶本 佳孝)の子会社である日本予防医薬株式会社(本社:大阪府豊中市、代表取締役:高橋 丈生)は、“疲労を科学するコラム”として、鶏胸肉抽出成分「イミダゾールジペプチド」の情報提供ウェブサイトを、2009年7月10日に開設いたしました。
『イミダゾールジペプチド』URL: http://japanpm.com/
■「イミダゾールジペプチド」について
「イミダゾールジペプチド ※1」は、「カルノシン」と「アンセリン」という2つのアミノ酸結合体です。「イミダゾールジペプチド」は鶏胸肉中に豊富に含まれており、ヒトや動物の骨格筋や脳などに高濃度に存在します。
運動時には酸化ストレスが増加し、これが組織障害をもたらして疲労の原因となることが知られていますが、「イミダゾールジペプチド」はそのイミダゾール基により抗酸化作用を発揮して、過重負荷時の酸化ストレスによって惹起される細胞機能の低下を抑え、細胞の酸化障害を抑制すると考えられています。したがって、疲労予防や疲労回復などの効果をもたらすということが、これまでに確認されています。
ウェブサイト『イミダゾールジペプチド』では、鶏胸肉抽出成分である「イミダゾールジペプチド」の作用メカニズムや臨床試験結果の紹介をはじめ、疲労に関する情報提供を行っています。また、疲労に対する意識向上を促すため、疲労の予防や回復について、抗疲労に関する情報も掲載しています。さらに、鶏胸肉の抗疲労効果を最大限に生かすレシピ紹介や、疲労度チェックを行うことで自身の疲労度を理解し、本サイトを通じた日常の健康生活への活用を目指して参ります。
■「イミダゾールジペプチド」に関する学会発表について
最新の知見として、日ごろから疲労を自覚している成人男女において「イミダゾールジペプチド」配合飲料を継続摂取することにより、摂取2週間後から摂取8週間後まで疲労感の継続的な改善作用がみられ、安定した抗疲労効果が確認されました。この研究成果は、第5回日本疲労学会総会・学術集会(2009年、福岡市)にて発表されました。
※本研究は、中間法人日本病態情報医学会、東京都内科医会、中間法人大阪府内科医会の協力を得て実施されました。
【研究背景】
本研究で用いた「イミダゾールジペプチド」(カルノシン・アンセリン)は、鶏胸肉由来成分です。従来の研究では「イミダゾールジペプチド」を継続摂取することにより、エルゴメーター負荷時の疲労感の有意な軽減、および身体的パフォーマンス低下の有意な抑制が認められ、「イミダゾールジペプチド」が抗疲労効果を有することが示されていました。
今回は、これらの筋肉疲労負荷試験とは異なり、日常生活で経験される疲労感に対する改善作用の検証を主目的に研究しています。
【研究・調査の内容】
医療機関にて募集した「日常的な生活のなかで、ほぼ毎日、疲労を自覚している」と回答した健常成人男女207名を対象に、「イミダゾールジペプチド」配合飲料を8週間継続摂取した際の疲労感に関する調査を実施しました。
・イミダゾールジペプチドの疲労感に対する効果(付随画像情報の図1を参照)
2重盲検下で行われた疲労感の評価(VAS法 ※2)で、「イミダゾールジペプチド」400mgを摂取した群では、プラセボ群と比較して、摂取2週間後から摂取8週間後までの間、疲労感が有意に低下することが示されました。摂取期間中、明確で安定した疲労感改善効果が確認されています。
また、「イミダゾールジペプチド」200mg群では、摂取3週間後、摂取4週間後および6週間後で、疲労感の有意な低下がみられました。加えて、Chalder fatigue scale法(※3)によっても、「イミダゾールジペプチド」400mg群で、摂取週間後に合計スコアの有意な低下が認められました。
・運動許容度と疲労感の相関(付随画像情報の表1を参照)
疲労感と、10秒間ハイパワーテスト(※4)あるいはPWCテスト(※5)で評価した運動許容度との相関を検討しました。その結果、摂取前後の差分値において、疲労感と10秒間ハイパワーテストにおける運動許容度の間に有意な逆相関(表2)がみられ、摂取後の疲労感の改善は、運動許容度の改善と相関していることが示されました。もう一つの運動許容度評価法であるPWCテストにおいても、摂取前後の差分値において、摂取4週間後で逆相関が認められました。
以上のことから、自覚所見として認められた疲労感の改善は、運動許容度の改善にも繋がっていたことになります。
以上の結果から、「イミダゾールジペプチド」配合飲料は、摂取2週間後から継続的に疲労感を軽減させることが示され、抗疲労効果が確認されました。「イミダゾールジペプチド」配合飲料は日常作業で毎日、疲労を自覚している人にも適した食品であると考えられます。
参考1:論文データ
1)Crush KG. Carnosine and related substances in animal tissues. Comp Biochem Physiol 1970:34:3-30
2)Chan WK, Decker EA, Chow CK, Boissonneault GA. Effect of dietary carnosine on plasma and tissue
antioxidant concentrations and on lipid oxidation in rat skeletal muscle. Lipids 1994:29:461-6
3)Kohen R, Yamamoto Y, Cundy KC, Ames BN. Antioxidant activity of carnosine, homocarnosine, and anserine present in muscle and brain. Proc Natl Acad Sci USA 1988:85:3175-9
4)Boldyrew AA. Problems and perspectives in studying the biological role of carnosine
Biochemistry (Moscow) 2000:65:751-6
5)MavFarlane N, Mcmurray J, O’Dowd JJ, Dargie HJ, Miller DJ. Synergism of histidyl dipepticles as antioxidants. J Mol Cell Cardiol 1991:23:1205-7
6)田中 雅彰、鴫原 良仁、藤井 比佐子、平山 佳伸、渡辺 恭良「CBEX-Dr配合飲料の健常者における抗疲労効果」薬理と治療 2008:36:199-212
参考2:用語の説明
※1 「イミダゾールジペプチド」には「カルノシン」と「アンセリン」があり、「カルノシン」はβ-アラニンとヒスチジン、「アンセリン」はβ-アラニンと1-メチルヒスチジンとのジペプチドです。いずれもイミダゾール基により抗酸化作用、pH緩衝作用を持つことが知られています。
※2 VAS法(Visual Analogue Scale法)は、元来、痛みの評価として開発され鎮痛剤の臨床試験等で多用されている評価方法ですが、近年、文部科学省「疲労と疲労感に関する分子神経メカニズムとその防御に関する研究」研究班で疲労感の自己評価として最も有用であることが示され、現在では疲労評価法として汎用されています。
※3 Chalder fatigue scaleは、14項目の質問に4段階で回答する質問表であり、米国疾病予防管理センター(CDC)が、慢性疲労症候群(CFS)など疲労の診療において推奨している方法です。
※4 10秒間ハイパワーテストは、エルゴメーターのペダルの重さを一定量に設定し、10秒間全力で自転車をこぎ、最大回転数によって運動量および体力を評価します。なお、ペダルの設定方法として、男性は体重の8.5%、女性は体重の7.5%とします。
※5 PWCテスト(Physical Work Capacityテスト)は、持久力を評価するテストです。3段階に設定した負荷強度で、それぞれ3分間エルゴメーターをこぎ、心拍数を測定します。予測最大心拍数の75%となる負荷強度(PWC75%HRmax)を算出し、値が大きいほど持久的な体力があると評価されます。
■日本予防医薬株式会社 会社概要
会社名 : 日本予防医薬株式会社
所在地 : 大阪府豊中市新千里東町1-4-2 千里ライフサイエンスセンター13F
代表者 : 代表取締役 高橋 丈生
資本金 : 155百万円
出資会社: 株式会社 総医研ホールディングス(100%)
事業内容: 健康補助食品の販売等
URL : (日本予防医薬株式会社)
: http://www.soiken.com/ (株式会社 総医研ホールディングス)