株式会社ノエビア(社長:大倉 俊)は、基礎化粧品を使用した際、年齢とともに肌の「うるおい感」や「しっとり感」を感じにくくなる現象に対して、皮膚状態の加齢変化に着目し研究を進めました。
その結果、徐々にこれらの使用感を得にくくなる原因には肌水分量の低下のみならず、肌の弾力性の低下が影響していることを見出しました。これらの研究成果を今後、より多くの方が効果を実感しやすい化粧品の開発に活かします。また、本研究内容は、2010 年6 月3 日~4 日に埼玉県和光市(理化学研究所 鈴木梅太郎記念ホール)で行われる「第33 回日本バイオレオロジー学会年会」にて発表いたします。
【研究の背景】
化粧品の基本的な役割である保湿効果の感じ方に対し調査を行ったところ、同一の化粧品でも年齢とともに「うるおい感」や「しっとり感」を感じにくくなる現象があることが分かりました。そこで今回、加齢に伴う皮膚状態の変化と、人が化粧品を使用した際に保湿効果を感じる機構に着目して研究を進めました。
【研究の成果】
1.年代の異なるパネルに対して、皮膚状態の測定を行ったところ、加齢に伴い皮膚の弾力性が低下することが分かりました。特に皮膚の弾力性を示す指標のうち、最外層である角層を内側へ引きこむ張力(T)が顕著に低下していることが分かりました。
2.基礎化粧品の「うるおい感」や「しっとり感」を判断する際には、使用後の肌のつっぱり具合で判断することがアンケート調査から分かりました。化粧水等を使用した後には、表面の水分蒸発に伴い角層が収縮し、張力が生まれますが、これが肌につっぱりを及ぼす一因であると考えられています。加齢に伴い皮膚内部での張力が低下することで、これらのつっぱりを起こす張力を相対的に強く感じ、「うるおい感」や「しっとり感」を感じにくくなっていることが示唆されました。
3.皮膚の弾力性が低下しているパネルは、ある種の化粧品の「うるおい感」や「しっとり感」を感じにくくなる一方、皮膚の弾力性を改善する処方では、年齢によらず「うるおい感」や「しっとり感」を感じやすくなることが分かりました。
以上より、加齢とともに減少する「うるおい感」や「しっとり感」には、皮膚の弾力性の低下が影響を与えていることが分かりました。
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