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EDの診療内容には、「性器への触診」があると約4割が誤解

大阪、2010年8月30日―バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:ジャン-リュック・ロビンスキー)は、2004年6月に経口ED(勃起不全)治療薬レビトラ(R)を発売して以来、EDの啓発活動に取り組んでまいりました。このたび、更なる啓発活動の一環として、EDが日本人に及ぼす影響を考察することを目的に、「ED(勃起障害)に関する現代人の意識調査」を実施いたしました。

本調査より、EDの症状や治療内容、ED治療薬に対する正しい理解が進んでいないことからEDに対する偏見や誤解が生まれ、原因が正しく理解されているにもかかわらず受診へのためらいが拭えない現状が生じていることがわかりました。また、このような偏見や誤解が男性の日常生活や職場における心理に影響を及ぼしているだけでなく、男女間の意識の差やコミュニケーションを妨げる大きな要因のひとつであることが示唆されました。

 

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■調査概要■

対象:20~59歳の男女

地域:全国

方法:インターネットリサーチ

時期:2009年12月7日(月)~12月8日(火)

有効サンプル数:824サンプル

【1.あなたはEDの自覚がありますか? ~成人男性の約5人に1人がEDだと自覚~】

男性全体に「あなたはご自身がEDだと思いますか?」と質問したところ、19.9%が「思う」と回答しており、成人男性の約5人に1人がEDを自覚していることがわかりました。年代ごとに見てみると、20代男性では8.7%、30代男性では13.6%と、30代男性の1割以上がEDを自覚しています。

20代、30代男性は結婚・出産といった重要なライフイベントを迎える世代であり、厚生労働省の『平成21年人口動態統計月報年計』でも、男性の平均初婚年齢は30.4歳となっています。このような背景から、20代、30代男性とEDの関係が、今後、社会的にも影響を与えることが予想されます。

また、EDを自覚している男性に対し、「EDはあなたの自信にどう影響を及ぼしましたか?」と質問したところ、「性生活に自信がなくなった」という回答が63.4%で、EDが性生活全体にも影響していることが考えられます。世代別に見ると30代男性では「仕事に対して自信がなくなった」が21.4%、40代男性では「女性とのコミュニケーションに自信がなくなった」が27.3%と、他の世代に比べて顕著に高い数値を示しました。EDは働き盛りの男性の仕事や女性とのコミュニケーションにも大きく影響を及ぼしていることが窺えます。

【2.EDはあなたにとって深刻ですか? ~年齢を重ねることに広がる、男女間での「意識の差」~】

男性全体に「あなたにとってEDになることは深刻な問題ですか?」と質問したところ、「とても深刻」「まあまあ深刻」という回答が合わせて74.8%と7割を上回りました。50代男性でも67.0%が深刻な問題として捉えており、男性にとってEDは世代を問わず深刻な問題であることが読み取れます。

一方で、女性全体に「あなたのパートナーがEDだった場合、あなたはどれくらい深刻に受け止めますか?」と質問したところ、「とても深刻」「まあまあ深刻」を合わせて60.7%という結果になりました。男性と比べて、女性がEDを深刻な問題として捉えるかどうかについて意識の差があるとことが読み取れます。

また、20代男性が「深刻」と回答した数値と20代女性が「深刻」と回答した数値を比較すると、その差は1.9ポイント(男性:83.5%、女性:81.6%)とほぼ同等の捉え方をしていますが、50代男女になると差が32.1ポイント(男性:67.0%、女性:34.9%)に広がります。年齢を重ねるごとにEDに対する意識の差が男女間で大きく広がっていることがわかりました。

【3.EDであることをパートナーに告白しますか? ~女性は、男性から「打ち明けてほしい」~】

女性全体に「あなたのパートナーがEDだった場合、打ち明けてほしいですか?」と質問したところ、「打ち明けてほしい」が87.1%と圧倒的で、特に20代女性では98.1%に達しました。男性全体に対し「あなたがEDだった場合、パートナーに打ち明けますか」と質問をしたところ、「打ち明ける」という回答が76.9%とこちらも高い数値を示しましたが、どの世代においても女性の「打ち明けてほしい」が男性を上回っています。男性が思っている以上に、女性はEDについて「打ち明けてほしい」「パートナーと話をしたい」と考えていることが窺えます。

【4.EDだと知られたくない人は誰ですか? ~「職場の人間」が圧倒的、「パートナー」は少数~】

男性全体に対して、「あなたがEDだった場合、EDについて知られたくない人は誰ですか?」と質問したところ、「職場の同僚(45.1%)」「職場の部下(42.0%)」「職場の上司(40.5%)」と職場関連の回答が上位に並びました。職場の人間関係において、EDであることを知られたくないと考える人が多くいることが窺えます。

一方で、「パートナー」に知られたくないという回答はどの世代でも数値が低く、全体でも23.1%にとどまりました。この回答からも、「パートナーに対してはEDを打ち明けたい」という側面が垣間見えます。

【5.ED治療にためらいを感じますか? ~正確な情報が伝わっていないことが治療へのハードル~】

男性全体に対して、「ED治療にためらいを感じますか?」と質問したところ、「とても感じる」「まあまあ感じる」という回答が72.6%を占めました。また、ためらいを感じている男性に理由を訊ねたところ、「治療にお金がかかりそうだから」「どこの病院に行けばいいかわからないから」「診療内容がわからず、不安だから」といった回答が上位を占めました。

EDの症状や診察内容、ED治療薬などの情報はインターネットなどで広く一般に公開されていますが、EDに関する正確な情報が一般的には十分に伝わっていないことが窺えます。

●治療そのものを「人に知られるのが恥ずかしい」と感じている人は58.7%と最も多く、診察を受けずにインターネットで治療薬のみ入手しようとする事例が見られますが、多くの場合未承認の薬物で、不純物や実際に効果のない「偽薬」も出回っており、健康被害に至るケースもあります。正規の医療機関以外で薬を入手することは大変危険な行為です。

【6.EDの症状を本当に知っていますか? ~誤解の多いEDの症状~】

男女全体に「EDの症状に当てはまるものは何ですか?」と質問をしたところ、「射精できない」が44.8%、「性欲がわかない」が30.2%、「性的に興奮しない」が29.7%、「早漏や遅漏」が13.5%と、EDに当てはまらない症状を回答するケースが多く見られました。日本性機能学会による『ED診療ガイドライン』では、「性交に十分な勃起を得ることができるか」によって症状を4つに分類していますが、射精の有無、性欲の減退などはEDの症状であると定義していません。

また、「性的刺激があっても勃起しない(88.3%)」「勃起しても挿入できなくなった(75.4%)」など代表的な症状は広く認知されていますが、「十分な勃起はあるが、ときどき性行為に満足なほど維持できないことがある(中折れ)※」をEDの症状として認識している人は49.6%にとどまりました。

※中折れはEDの症状に該当します。

【7.EDの原因は何だと思いますか? ~正しく理解されていながら治療に至らない現状~】

男女全体に「EDの原因は何だと思いますか?」と質問したところ、「うつやストレスなどの心理的な理由から」が89.6%、「生活習慣病(糖尿病。高血圧など)から」が64.0%という高い数値を示しました。

『ED診療ガイドライン』では、うつ病や糖尿病・高血圧などの生活習慣病をEDのリスクファクターと捉えており、EDの原因が正しく理解されていることが窺えます。日本性機能学会は、ED患者数は潜在的患者数を含め1130万人と発表しています。しかし、EDを実際に受診・治療する患者数は100万人を切ると言われ、EDの原因を正しく理解しながら治療に至っていない患者さんが多いものと思われます。

●厚生労働省『2008年患者調査』によると、男性のうつ病患者数は38.6万人、男性の糖尿病患者数は131.2万人、男性の高血圧患者数は334.0万人とされています。

【8.EDの診察内容を知っていますか? ~全体の約4割が「性器への触診」があると誤解~】 

男女全体に「ED治療を受けるには、どのような診察があると思いますか?」を質問したところ、全体で「問診」が96.0%と最も多く、続いて「血液検査」が45.9%という結果になりました。一方で「(性器への)触診」が全体で39.6%という数値を示し、特に20代では男女ともに半数近くが「触診」と回答しています。

『ED診療ガイドライン』では、診療は基本的に問診のみで精密検査の一環で触診を行うこともありますが、基本的に初診時に触診(性器への)をすることはまずありません。このような診療内容についての誤解が医療機関の受診をためらう原因かもしれません。それが危険なインターネットでの購入行動を促進しているとも考えられます。

【9.ED治療薬に対するイメージは? ~まだまだ誤解の多いED治療薬~】

男女全体に「ED治療薬に対するイメージを教えてください」と質問したところ、全体では「副作用が怖い(46.4%)」「心臓に対して負担がかかる(46.0%)」「糖尿病や高血圧の薬を飲んでいる人は服用できない(30.7%)」という回答が上位を占めました。また、男性全体の21.6%が「薬が効いている間ずっと勃起している」というイメージを持っていることがわかりました。

『ED診療ガイドライン』では、ED治療薬は性的刺激に反応して起こる勃起を補助するもので、性的刺激がないと勃起せず、勃起が持続することもありません。副作用も頭痛、消化不良、顔面紅潮、鼻づまり、視覚異常などがありますが、ほとんどが軽いもので一過性です。

専門医の指導の下で正規の医療用医薬品を正しく服用することで副作用が起こった場合も安心して相談し、EDを治療することができます。インターネットで安易に薬物を購入するのではなく、医療機関で受診することが重要です。

【10.EDに対する偏見はありますか?】

男性全体に「EDに対する偏見や誤解は存在すると思いますか?」と質問したところ、全体では「とても思う」「まあまあ思う」という回答が81.6%となり、50代男性でも75.7%がEDに対する偏見・誤解があると思っていることがわかりました。女性全体にも同じ質問をしたところ、「とても思う」「まあまあ思う」という回答が79.9%と8割近くにも達し、偏見・誤解があると考えている人が性別を問わず多いことが窺えます。

EDへの偏見や誤解が存在すると回答した人に対し、「どうすればEDに対する偏見や誤解が払拭されると思いますか?」と質問したところ、「EDが誰にでも起こりうる疾患であることがもっと認知されれば(70.7%)」「EDに対する社会の理解が高まれば(52.3%)」「ED治療薬に関する正確な情報がもっと認知されれば(48.9%)」という回答が上位を占めました。

【11. 調査結果より】

本調査を通じ、EDの症状や診察内容、ED治療薬について、正しい理解が進んでいないことがわかりました。その結果、EDに対する偏見・誤解が生まれ、潜在的なED患者が診療の機会を逸している可能性があると考えられます。また、インターネットを通じた薬物の購入は、不衛生な現場で製造された偽造医薬品による健康被害を受ける可能性があります。必ず医療機関を受診してください。

潜在的患者数を含めると1130万人とされているEDは、男性の心理や日常生活に悪影響を及ぼすだけでなく、仕事への自信や男女のコミュニケーションにも大きな影響を及ぼします。多くの女性は「パートナーがEDだった場合でも、打ち明けてもらった上で話し合いたい」と考えており、EDを男性だけの問題ととらえず、「パートナーとふたりで解決する問題」であるととらえるべきだと言えます。

EDに対する偏見や誤解を払拭するためには、正確な情報がもっと認知されることが大切です。EDは誰にでも起こりうる疾患であり、EDの症状、診察内容についての正確な情報は医療機関やインターネットなどで公開されています。

バイエル薬品は経口ED(勃起不全)治療薬レビトラ(R)の販売とED啓発活動を通じ、正しい理解の浸透とED受診のためのきっかけ作りに取り組んでいます。ED啓発サイト『EDネットクリニック』(www.ed-netclinic.com)では、偽造医薬品の現状やEDの症状、EDセルフチェックや受診可能な医療機関や実際の診察内容など、EDに関するさまざまな情報を発信しています。本調査結果とあわせて、ぜひご覧ください。

2010年08月30日 20:20

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