株式会社ポッカコーポレーションの中央研究所(愛知県北名古屋市)では、これまでレモンの主成分であるクエン酸が持つ機能性について研究を進めてきました。この度、東海学園大学(名古屋市天白区)との共同研究により、硬水(高硬度ミネラルウォーター)とレモン果汁を同時に摂取することで、硬水中のミネラル吸収が促進することを明らかにしました。
■研究概要
摂取したミネラルは、腸内で不溶化し、吸収が妨げられることが知られています。そこで、ミネラルを豊富に含む硬水に、レモン果汁(ポッカレモン100)を添加してラットに投与したところ、レモン果汁無添加投与と比較して、尿中カルシウム及びマグネシウム濃度を共に有意に増加させることが明らかになりました。更に、ヒトでの飲用試験においても、同様の傾向が確認出来ました。
ミネラルの吸収が増加すると尿中に排出されるミネラルも増加することから、今回の試験により、レモン果汁の主成分であるクエン酸が、硬水中のミネラルをキレート化して、生体内での吸収を促進することが分かりました。最近、健康・美容の観点から、特に女性を中心に硬水や超硬水が飲まれていますが、レモン果汁とともに飲むことで、ミネラルの補給が容易になると考えられます。
■結果概要
1.動物試験によるミネラル吸収促進作用の検証
ラットを8時間絶食させ、レモン果汁を3%含む硬水(硬度約1500、カルシウム約500ppm及びマグネシウム約100ppm含有)を25ml/kg体重で経口投与した後、16時間継続採尿して、尿中のカルシウム及びマグネシウム濃度を測定しました。その結果、レモン果汁添加硬水の投与は、レモン果汁無添加投与(コントロール)と比較して、尿中カルシウム及びマグネシウム濃度を共に有意に増加させました。尚、この結果は、東海学園大学と共同で、2010年8月27日-28日に開催された日本調理科学会平成22年度大会(福岡市)において公表済です。
2.ヒト飲用試験によるミネラル吸収促進作用の検証
成人男性18名を被験者とし、9名ずつ2つのグループに分かれ、レモン果汁3%添加硬水またはレモン果汁無添加硬水(コントロール)1.5リットルを試験開始後7時間以内に飲みきってもらいました。開始後8時間まで継続採尿して、尿中のカルシウム及びマグネシウム濃度を測定しました。また、1週間後に各グループが逆の硬水を飲む試験(クロスオーバー試験)を実施しました。その結果、レモン果汁添加硬水の飲用は、動物試験と同様の傾向を示すことを今回新たに確認しました。