英国系製薬企業グラクソ・スミスクライン株式会社(本社:東京都渋谷区、以下GSK)は、暑い夏、冷たいものを飲食した際に、ムシ歯もないのに“歯がキンとシミて痛い”と感じたら、それが“知覚過敏”であることを自覚し、その対策への意識を持ってもらおうと、7月25日を「知覚過敏の日」に制定しました。この日は 「かき氷の日※」でもあります。
※日本かき氷協会が制定(かき氷の別名”夏氷”と”725″の語呂合わせ、および最高気温記念日)
GSKでは、この「知覚過敏の日」を前に、岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 吉山昌宏教授による監修のもと、20~60歳代の男女2,000人を対象に「知覚過敏に関する意識と実態の調査」を実施しました。
■年齢・性別に関係なく約7割の人が“歯がキンとシミる痛み”を経験!
今回の調査で「知覚過敏を知っている」と答えた人は83.1%【データ:1】で、その内「知覚過敏の症状までも知っている」人は88.6%となりました。また、70.1%の人が知覚過敏の症状である「“歯がキンとシミて痛い”と感じた経験がある」と回答しており【データ:2】、20代~60代の各世代別、男女別にみても大差なく、発症していることがわかりました【データ:3】。
■夏の大敵!?痛みを感じる食べもの上位は「カキ氷」「氷菓」「アイスクリーム」
痛みを経験したことがある人の内、91.4%の人が「冷たいものを飲食したときに痛みを感じる」と回答し【データ:4】、痛みを感じた飲食物は、「かき氷(66.3%)」がトップ、次いで「氷菓※ (58.8%)」、「アイスクリーム(40.7%)」の順となりました【データ:5】。※果汁などを凍らせたアイスキャンディーやシャーベットなど
■約7割の人が痛みに不快感、2人に1人が日常生活で不便を感じている
68.6%の人が「“歯がキンとシミる痛み”を不快に感じる」と回答【データ:6】。また、痛みを経験したことがある人の内、32.6%の人が「食べたいものが食べにくい(飲みたいものが飲みにくい)」、13.9%が「食事を楽しめない」、10.9%が「満足に歯を磨くことができない」と回答しており、経験者の約半数の48.5%が日常生活の中で何がしかの不便を感じていることがわかりました【データ:7】。
■楽観視される知覚過敏、70%が“その場しのぎ”
痛みを感じたときに起こす行動として、「痛みを感じない側で飲食する(43.4%)」、「痛みを感じるものを飲食しない(23.0%)」、「冷たいものを温めるなど、工夫して飲食する(18.9%)」など、70%の人が“その場しのぎ”の行動を取ることで“シミる”症状を一時的に回避しており、「知覚過敏を治す」と答えた人は30%に留まる結果となりました【データ:8】。
さらに「痛みを不快に感じていながらも、知覚過敏を治そうとしない」人は69.1%となり【データ:9】、問題を軽視している人が多いことがわかりました。また、その理由としては、「対策するほど痛くないから(41.9%)」、「我慢できる痛みだから(37.6%)」、「痛みが一瞬だから(37.6%)」が上位となりました【データ:10】。
≪岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 吉山昌宏教授による調査考察≫
ホントは怖い知覚過敏! 知られていない知覚過敏の原因と対策
~まずは、“知覚過敏に過敏になる”こと~
【知覚過敏は象牙質の露出で起こる。】
“歯がシミる”のは、歯の中にある神経(歯髄・しずい)が刺激に反応するためです。正常な状態であれば、象牙質はエナメル質に覆われていますが、それが何らかの原因で表面に露出してしまい、刺激を受けると、象牙細管を通じてその刺激が神経(歯髄)に直接伝わってしまいます。この瞬間に“シミる”痛みが生じるのです。
【知覚過敏の原因は、日常生活に潜んでいる】
では、なぜ象牙質が露出してしまうのでしょうか。その原因の多くは日常生活に潜んでいます。「間違った歯みがき」「歯ぎしり」などによってエナメル質が傷つき削れてしまうケース、「歯周病」などにより歯肉が後退する(歯ぐきが下がる)ケース、さらに“酸”によって歯のエナメル質が溶かされてしまうケースもあります。私たちが日ごろから口にしている飲食物には“酸”が入っているものが多く、知らないうちにエナメル質を溶かしてしまっている可能性もあるのです。このような症状を酸蝕症・歯(さんしょくしょう・さんしょくし)と言います。
【知覚過敏は“歯の重症の警鐘”!放置すると、むし歯や歯周病、さらには神経を取ったり抜歯の恐れも。】
知覚過敏の特徴は、「瞬間的な鈍い痛み」が複数回にわたり生じるということです。どんなに長くても10秒もありません。今回の調査結果からも分かるように、知覚過敏は“我慢できてしまう”“忘れてしまう”“自然に消える”痛みであるため、放置されがちです。
しかし、そのままにしておくと、むし歯や歯周病など歯の重大な疾患を引き起こし、歯の神経(歯髄)を取ったり、場合によっては抜歯など大事になる恐れもあります。
【痛みの回避が、肩こり・頭痛・腰痛をも引き起こす!?】
また、痛みを感じない側で噛むことで症状を回避している人も多くいますが、これを長期的に続けると、噛み合わせが悪くなり、カラダに歪みが生じ、結果的に肩こり、頭痛、耳鳴り、腰痛、など思わぬ問題を引き起こす恐れもあるのです。
知覚過敏による痛みが、気付かないうちに日々の生活の中で“ストレス”となっているケースもあります。痛みを回避しようとして、美味しく食べられなくなったり、食べることを避けるようになってしまったり、痛みが気になって食事中での会話に集中できなかったり・・・せっかくの食事を楽しめないことは非常に残念なことです。このように、知覚過敏によって“損”をしている人も少なくないでしょう。
【知覚過敏は誰しもに起こり得る!大切なのは“知覚過敏に過敏になること”!日々のケアで予防・対策を。】
今回の調査結果からも分かるように、知覚過敏は年齢・性別に関係なく、誰しもに起こり得るものですので、他人事と思わず早めに対策をするようにしましょう。“歯がキンとシミて痛い”と感じたら、知覚過敏であることを疑うこと、つまり“知覚過敏に過敏になる”ことが重要なのです。
知覚過敏は日常生活の改善、歯磨きの仕方を見直すことで予防することも改善することもできます。知覚過敏にならないためには、やわらかい歯ブラシを使用したり、研磨剤の少ない歯みがき剤を使用するなど、エナメル質を傷つけないようにしましょう。知覚過敏専用の歯みがき剤を使用することも効果的です。継続的に使用し知覚過敏の予防・対策をしましょう。また、先述したように食後は口の中が酸性化し、歯のエナメル質が軟化していることも多く、その状態で歯磨きをしてしまうと、エナメル質を傷つけてしまう可能性もあります。食後すぐの歯磨きは極力避けるようにして、食後1時間後に歯を磨くようにしましょう。
【監修・考察】
吉山昌宏(よしやままさひろ)
岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 生体機能再生・再建学講座 歯科保存修復学分野
-profile-
1986年徳島大学大学院歯学研究科修了
1988年徳島大学歯学部附属病院講師
1994年ジョージア医科大学歯学部客員講師
2000年徳島大学歯学部助教授
2000年岡山大学歯学部教授
2001年岡山大学大学院医歯学総合研究科教授
2003年岡山大学大学院医歯薬学総合研究科教授
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《調査概要》
調査名: 知覚過敏に関する意識と実態の調査
調査方法: インターネット調査
調査実施期間: 2011年6月27日(月)~ 6月29日(水)
対象地域: 全国(北海道、宮城、東京、愛知、大阪、広島、高知、福岡)
対象者: 男1,000名 女1,000名 (合計2,000名)
対象者年代: 20代、30代、40代、50代、60代
※均等割り付けにて実施(各セル:25サンプル均等割付)