睡眠改善委員会は、20~40代のかくれ不眠者と快眠者の男女835名を対象に、「頭髪・ヘアトラブル」に関するインターネット調査を実施しました。
スカルプ(頭皮)ケアやノンシリコンシャンプーなど、最近の頭髪ケア商品は、健やかな髪を育てるものが流行しており、美しい髪の概念が「健康的な髪」へとシフトしている傾向がうかがえます。外からのケアももちろん重要ですが、健康的な髪の土壌となる頭皮のために、食事、睡眠などの生活習慣を見直すことも大切です。
そこで今回は、“かくれ不眠者”と快眠者の間で見られた頭髪の
悩みにどのような違いがあるのか、とその理由について発表します。
■“かくれ不眠者”の方が、頭髪について悩んでいる
かくれ不眠者”では、「最近、抜け毛が気になる(増えた)」、「髪のハリ・コシが気になる」という人が多いことが明らかになりました。
・抜け毛 :“かくれ不眠者”36.2% vs. 快眠者21.8%
・ハリ・コシ:“かくれ不眠者”29.0% vs. 快眠者18.9%
○男性は「抜け毛」、女性は「抜け毛」と「ハリ・コシ」が悩み
性別ごとに見てみると、男性の“かくれ不眠者”は、「抜け毛」を気にする人が多い傾向であり、快眠者との間で、12.0ポイントの差が認められました(“かくれ不眠者”35.4% vs. 快眠者23.4%)。
一方、女性の“かくれ不眠者”では、「抜け毛」、「髪のハリ・コシ」ともに気にする人が多い傾向でした(それぞれ、かくれ不眠者”37.0%vs. 快眠者20.1%、“かくれ不眠者”39.4%vs.快眠26.3%)。
男性は目に見える「抜け毛」に、女性は美意識の面から、「抜け毛」だけでなく
「ハリ・コシ」といった髪の質感についても敏感に捉える傾向にあるようです。
以上の通り、“かくれ不眠者”では、頭髪に関する悩みが多い傾向にあることが明らかとなりました。睡眠改善委員会では、その背景・理由を次のとおり分析しています。
<なぜ、“かくれ不眠“だと髪のトラブルを感じやすいのか?>
かくれ不眠、つまり自分では気付いていないものの、きちんとした睡眠が取れていない状態では、「ストレス」と「成長ホルモン」の2つの要素が頭髪に影響を及ぼしていると考えられます。
●睡眠には、日中の記憶を整理して精神的ストレスを軽減する働きがあります。つまり、睡眠不足に陥ると、ストレスがたまりやすくなります。ストレスがたまると、血圧などをコントロールする自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが乱れ、血液循環に影響を及ぼし、最終的に血行不良につながります。血行不良は、抜け毛に関係する毛根へも悪影響を及ぼすため、健康な髪が育ちにくくなってしまいます。
●睡眠中は心身のあらゆる箇所の修復や成長が進みますが、頭髪も例外ではありません。
毛母細胞の働きによって形成される頭髪は、成長ホルモンの影響をうけると考えられます。
成長ホルモンは睡眠中に分泌されますが、睡眠不足に陥ると不足します。また、年齢を重ねるごとに、分泌量が減少するため、頭皮について悩みやすい年代の方ほど、質の良い眠りをとるように心がけることが大切です。
■外からのケアとともに、内からのケア=睡眠改善を心がける
良質な睡眠は頭髪の成長を活性化させる成長ホルモンの分泌を促し、健康的な髪を育みます。まずは身近にある“睡眠”を見直すことから始めてみましょう。
-まずは自身の睡眠状態を認識
「かくれ不眠」チェックシートを実施し、1つでもチェックがついたら「かくれ不眠®」。
「かくれ不眠のループ」を解消するためには、自身のスリープマネジメントが大切です。
「かくれ不眠」チェックシート :http://www.brainhealth.jp/suimin/checksheet/
■「快眠者・かくれ不眠者 調査」 調査概要
○調査対象と回収サンプル数
・20~49歳の男女835名
-快眠者 :418名(男性209名・女性209名)
-かくれ不眠者 :417名(男性209名・女性208名)
・快眠者・かくれ不眠者の定義
-快眠者 :睡眠上のトラブルがない方
-かくれ不眠者 :睡眠上のトラブルがあり、かつ睡眠に対する「悩み度」が中位で、かつ、対策をとっていない方
○調査地域 :全国
○調査方法 :インターネット調査(ネット調査会社の登録モニター活用)
○調査期間 :2011年8月25日(木)~8月29日(月)
○調査実施 :睡眠改善委員会 URL:http://www.brainhealth.jp/suimin/
※本リリースに含まれる調査結果をご掲載頂く際は、必ず『睡眠改善委員会調べ』とご明記ください。
※調査結果の詳細については、最終ページを参照ください。
■睡眠改善委員会 概要
健康を維持するための食事や運動などと同じように、睡眠も大切な要素のひとつであることを
世の中に啓発するため、睡眠の専門家が集まり、発足した組織です。
近年、睡眠自体を軽視している人や、不眠症の専門治療までは要しないものの、一時的な不眠症状が現われていたり、睡眠に対して悩みをもちながらも、周囲に相談できずに抱え込んでいる人が増えています。
このような方々に対し、「不眠の日」である2月3日と毎月23日を中心に、睡眠に関する正しい情報や知識を発信し、すこやかな眠りのための支援を行っております。
また、当委員会では、専門治療を要さない、軽度・短期の不眠状態について、一般生活者の方々に分かりやすく、「かくれ不眠®」と命名し、様々な情報発信をしております。
設立 : 2011年(平成23年)2月3日(木) ≪不眠の日≫
ホームページ: http://www.brainhealth.jp/suimin/
※【睡眠改善委員会】または【かくれ不眠】で検索
運営団体 : 特定非営利活動法人 日本ブレインヘルス協会
協賛 : エスエス製薬株式会社
< 古賀良彦 プロフィール>
1946年東京生まれ。医学博士。慶応義塾大学医学部卒業。
1976年杏林大学医学部精神神経科学教室。1990年に同大学助教授。
1995年より、同大学医学部精神神経科学教室主任教授となり、NPO法人日本ブレインヘルス協会理事長も務める。
主な著書として、「心の薬辞典」、「いきいき脳の作り方」、「脳をリフレッシュする大人のぬりえ」など多数。