睡眠改善委員会は、20~40代のかくれ不眠者と快眠者の男女521名を対象に、「配偶者とのコミュニケーション」に関するインターネット調査を実施しました。
11月22日は「いい夫婦の日」。この日をきっかけに夫婦で互いを見つめなおす方も多いのではないでしょうか?
結婚生活が長くなるにつれ、どの夫婦でも相手に対して些細なことでイライラしたり、喧嘩が多くなったりすることがあります。
さまざまな原因があるかと思いますが、「ご自身」が相手に対してきつくなってしまうことでもめる、という方も多いのではないでしょうか。
今回は、快眠者とストレスが溜まりやすくなっている“かくれ不眠者”の間で「配偶者とのコミュニケーション」にどのような差があるのかを調査いたしました。その結果について発表します。
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■“かくれ不眠者”は配偶者とのコミュニケーションに問題を抱えやすい
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配偶者とのコミュニケーションについて調査をしたところ、“かくれ不眠者”は、快眠者と比べて口ゲンカやいらだちなどを感じやすく、感情が高ぶりやすい傾向がみられました。
○相手に感情を向けてしまうのは“かくれ不眠者”
「つい感情的に叱ったり、口喧嘩になってしまうことがよくある」、
「自分の意見を理解してもらえず、いらだつことがよくある」という
点において、ともに“かくれ不眠者”の方が高く、
18ポイント以上の差が認められました。
快眠者に比べて、相手に対してストレートな感情を向けてしまう傾向が強いようです。
○配偶者との会話が少ないのも“かくれ不眠者”相手に感情を向けてしまう傾向がみられた
“かくれ不眠者”ですが、会話・対話の機会が少ないといった行動の面においても、快眠者よりも高い傾向がみられました。
・会話、対話の機会が少ないと感じる
:“かくれ不眠者”25.0% vs. 快眠者19.2%
以上の通り、「感情面」「行動面」ともに、“かくれ不眠者”の方が、
配偶者とのコミュニケーションに対し、問題を抱える傾向にあることが明らかとなりました。
睡眠改善委員会では、その背景・理由を次のとおり分析しています。
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調査結果分析
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<なぜ、“かくれ不眠“の方が、配偶者とのコミュニケーションに問題を抱えやすいのか?>
睡眠不足に陥ると、メンタル面にも影響が出てきます。十分な睡眠が取れないことによる身体疲労や、精神疲労がさらなるストレスを呼び、普段は気にならないような些細なことでイライラする、気持ちがコントロールできずに身近な人にあたってしまうといった、コミュニケーションのトラブルに繋がりかねないのです。
●相手に感情を向けてしまうのは“かくれ不眠者”
睡眠は、疲労の回復、身体の修復の他に、ストレスの軽減というメンタル面の回復にも繋がります。ですので、睡眠不足に陥ると、ストレスの処理がスムーズにできず、感情へも影響を及ぼします。
その結果、感情の抑制が上手くいかず、イライラしたり、怒りっぽくなり、更なるストレスへと繋がってしまいます。
●配偶者との会話が少ないのも“かくれ不眠者”
脳は、眠ることで恒常性が保たれるようプログラムされています。
そのため、睡眠不足の状態が続くと、脳の働きが鈍り、意欲や活力が低下してしまいます。
その結果、会話しよう、遊びに行こう、などの行動力も低下し、夫婦間においてもスキンシップや会話等のコミュニケーション不足を招いてしまう可能性があります。
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■家族への思いやりは睡眠改善から、良い睡眠でメンタルケアを
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良質な睡眠は脳機能の疲れを回復させ、精神状態のバランスをはかる役割を果たしています。
睡眠不足が続き、慢性的に脳が疲労してしまうと、精神面のバランスが崩れ、夫や妻、家族や友人など、身近にいる人へも、抑制が利かない感情をぶつけてしまいます。
結果、そのことにおいても罪悪感からストレスが蓄積され、更に眠りが浅い、眠れないといった「負のループ」に陥り、悪循環を招く可能性もあります。
メンタル面に不安を覚えるときは、まずは“睡眠”を見直すことから始めてみましょう。
「いい睡眠」で、「いい夫婦」。家族円満のためにも睡眠の見直しは家庭の大切なテーマかもしれません。
-まずは自身の睡眠状態を認識
「かくれ不眠」チェックシートを実施し、1つでもチェックがついたら「かくれ不眠®」。
「かくれ不眠のループ」を解消するためには、自身のスリープマネジメントが大切です。
「かくれ不眠」チェックシート :http://www.brainhealth.jp/suimin/checksheet/
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■「快眠者・かくれ不眠者 調査」 調査概要
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○調査対象と回収サンプル数
・20~49歳の男女521名
-快眠者 :261名(男性118名・女性143名)
-かくれ不眠者 :260名(男性122名・女性138名)
・快眠者・かくれ不眠者の定義
-快眠者 :睡眠上のトラブルがない方
-かくれ不眠者 :睡眠上のトラブルがあり、かつ睡眠に対する
「悩み度」が中位で、かつ、対策をとっていない方
○調査地域 :全国
○調査方法 :インターネット調査(ネット調査会社の登録モニター活用)
○調査期間 :2011年8月25日(木)~8月29日(月)
○調査実施 :睡眠改善委員会 URL:http://www.brainhealth.jp/suimin/
※本リリースに含まれる調査結果をご掲載頂く際は、必ず『睡眠改善委員会調べ』とご明記ください。
※調査結果の詳細については、最終ページを参照ください。
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■睡眠改善委員会 概要
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健康を維持するための食事や運動などと同じように、睡眠も大切な要素のひとつであることを世の中に啓発するため、睡眠の専門家が集まり、発足した組織です。
近年、睡眠自体を軽視している人や、不眠症の専門治療までは要しないものの、一時的な不眠症状が現われていたり、睡眠に対して悩みをもちながらも、周囲に相談できずに抱え込んでいる人が増えています。
このような方々に対し、「不眠の日」である2月3日と毎月23日を中心に、睡眠に関する正しい情報や知識を発信し、すこやかな眠りのための支援を行っております。
また、当委員会では、専門治療を要さない、軽度・短期の不眠状態について、一般生活者の方々に分かりやすく、「かくれ不眠®」と命名し、様々な情報発信をしております。
設立 : 2011年(平成23年)2月3日(木) ≪不眠の日≫
ホームページ: http://www.brainhealth.jp/suimin/
※【睡眠改善委員会】または【かくれ不眠】で検索
運営団体 : 特定非営利活動法人 日本ブレインヘルス協会
協賛 : エスエス製薬株式会社
<古賀良彦 プロフィール>
1946年東京生まれ。医学博士。慶応義塾大学医学部卒業。
1976年杏林大学医学部精神神経科学教室。1990年に同大学助教授。
1995年より、同大学医学部精神神経科学教室主任教授となり、
NPO法人日本ブレインヘルス協会理事長も務める。
主な著書として、「心の薬辞典」、「いきいき脳の作り方」、
「脳をリフレッシュする大人のぬりえ」など多数。