資生堂は、20~30代の日本人女性を対象(N=18人)にまつ毛についての詳細な研究を行ったところ、「まつ毛は成長スピード(成長速度)が速いほど長い」ということを新たに解明しました。
あわせて、まつ毛の成長速度を高めて長くする成分の研究を進め、「ナツメ果実エキス※1」にその効果が高いことを発見しました。
なお、この研究成果については、2013年6月28日に開催される日本抗加齢医学会総会で発表予定です。
※1 ナツメ果実エキス:ナツメ Zizyphus jujuba またはその近縁植物の果実から得られるエキスのことでタイソウ(大棗)エキスとも呼ばれる。
■まつ毛の研究と新知見
目もとは顔全体の印象に大きく影響するパーツです。資生堂の調査では、女性がなりたいまつ毛の仕上がりとして、「上向きカールのまつ毛」や「長いまつ毛」が上位にあがりました(図1)。こうした願望の表れとして、若い女性を中心に〝つけまつ毛〟の使用者は増加し、2010年度のつけまつ毛市場は2009年度の約1.5倍に急伸しています(販売金額ベース、図2)。
資生堂はこれまで、まつ毛が生え変わる「ヘアサイクル(毛周期)」や組織学的な特徴について研究を進め、大きく以下の3点を明らかにしてきました(図3)。一つ目は、まつ毛の「ヘアサイクル」が4カ月と、頭髪「ヘアサイクル」の3~6年に比べて非常に短いこと、二つ目は、まつ毛が伸びている期間(成長期)が約40日とヘアサイクルの3分の1しかないこと、三つ目は、成長スピード(成長速度)が遅いことです(これらの結果は※2で発表済)。加えて、同じ人のまつ毛のなかでも、短いものと長いものがあることも分かっていました。
以上の研究結果を踏まえ、この度まつ毛の成長速度と長さの関係について着目し、20~30代の日本人女性を対象(N=18人)に250本以上のまつ毛について詳細な研究を進めました。その結果、長いまつ毛ほど、成長スピード(成長速度)が速いという関係を明らかにしました(図4)。
※2 「睫毛の成長特性」 日本香粧品学会誌,31:143-147,2007.
■「ナツメ果実エキス」がまつ毛の成長速度を高めることを発見
この新知見にもとづき、『短い成長期の成長速度を高めることによって、まつ毛を長くする』対応成分の研究を進めました。200種以上の植物抽出エキスについて毛の細胞の増殖を活性化する作用を調べたところ、ナツメ果実エキスにその効果が高いことを発見しました。
さらに、ナツメ果実エキス配合(「あり」と「なし」)の試作品※3を4カ月間連続して使用する試験を行い、ナツメ果実エキスがまつ毛の成長速度を高めることを実証しました(図5)。
※3特許取得済み
図1~図5までは、リリースURL/PDF(資生堂 2013年1月21日発表)をご参照下さい。
【関連資料】
◎リリースURL/PDF(資生堂 2013年1月22日発表)
http://group.shiseido.co.jp/releimg/2119-j.pdf
◎株式会社資生堂株式会社
http://www.shiseido.co.jp/