株式会社コーセーは、かねてより共同研究を進めてきたスキンケアと皮膚バリア機能に関する研究の一層の進展を図り、その研究成果により“予防医学”や、“寛解期※のQOL(Quality of Life)向上”に貢献するために、慶應義塾大学医学部に講座開設のための寄附を行い、皮膚科学教室に、2013 年10 月1 日より3 年間の「コーセー スキンケア・アレルギー予防医学寄附講座」(講座主任:天谷雅行・皮膚科学教室教授)が設置されました。
※寛解期:治癒したわけではないが一時的に症状が軽くなったり、消えたりして安定している時期。
近年は、体内に侵入した特定の抗原に対して免疫反応が過剰に起こる疾患であるアレルギー性疾患患者が急増しており、多くの人にとってQOL を損なう要因となっています。一方で皮膚の重要な役割には、体表にあって外界と隔て、外部からの異物の侵入を防ぐバリア機能があり、化粧品の主要な効能のひとつである「皮膚を保護する」もそのバリア機能に関連しています。
コーセーは、アレルギー性疾患の一種であるアトピー性皮膚炎の寛解期に化粧品を使用することの有用性に着目。2009 年には皮膚バリア・経皮免疫研究の権威であり、今回開設の講座主任である慶應義塾大学医学部皮膚科教授の天谷先生と、共同研究を開始しました。
また喘息、食物アレルギー、花粉症などの全身性のアレルギー性疾患に対しても、化粧品で皮膚バリア機能のケアを継続することにより、抗原の侵入を防ぐことでの予防効果の可能性が期待されます。慶應義塾大学皮膚科の考え方とコーセーの考え方が一致することから、この領域の研究の活性化、人材の育成、社会への情報発信の促進に向けて、今回、寄附を行いました。
コーセーは、皮膚科学とスキンケア化粧品の有用性に関する様々な研究を行ってきましたが、2007 年からは中期経営計画における取り組みとして、「医療(美容医療)分野との関係深化」を掲げ、『化粧品の有用性実証』、『QOL 向上』、『健康科学』の視点からの新たな研究開発テーマに取り組んできました。
そのなかでも、健康を保つための予防医学の観点や、慢性的な疾患を抱える患者にとっては長い期間となることの多い寛解期における、化粧品の有用性に特に着目しています。これまでの研究事例としては、新規開発のUVA 防御能の高い日やけ止め化粧料が光線過敏症患者の発症予防に有効であることの確認や、レーザーによるしみ除去治療のアフターケアにおけるコウジ酸配合製剤の有用性確認などの研究成果※を得ています。 ※次頁参照また化粧品には、医薬品と異なり、誰もが“安心して”“手軽に”“楽しんで心地良く使える”化粧品ならではの「心」への効用も期待できると考えています。今後も研究を進め、化粧品の新たな有用性を見い出し、人々のQOL 向上に貢献することを目指していきます。
※詳細は下記URLをご参照ください
◎株式会社コーセー 2013年12月16 日発表
http://www.kose.co.jp/jp/ja/ir/common_ir/pdf/news/20131216.pdf