国立研究開発法人農業生物資源研究所(生物研)は「イネの栄養の吸収と蓄積を促進させる遺伝子を発見―少ない肥料でのイネの収量アッフ゜に向けて―」をリリースで発表しました。
【ポイント】
・複数の栄養素をバランスよく吸収し、収量を向上させるイネの遺伝子を発見しました。
・この遺伝子を強く働かせたイネは、少肥料栽培での収量が最大で約2割増加しました。
・新たな品種や栽培技術の開発により少ない肥料でこれまでと同様の収量を得ることが可能となります。
【概要】
1. 国立研究開発法人農業生物資源研究所(生物研)は、植物の主要な栄養素(窒素、リン酸、カリウム)を含む複数の栄養素をバランスよく吸収し、蓄積を促進させるイネのRDD1遺伝子を発見しました。
2. 単独の栄養素の吸収・蓄積に関わる遺伝子は報告されていましたが、複数の栄養素の吸収・蓄積をバランス良く促進させる遺伝子は初めての発見です。
3. 人為的にRDD1遺伝子を強く働かせたイネは、特別栽培米と同等の少化成肥料栽培での収量が普通のイネと比べ最大で約2割増加しました。
4. 新たな品種や栽培技術の開発により、RDD1遺伝子の機能を強化することで、少ない肥料で通常と同様の収量を得ることが可能になります。少ない肥料での栽培は、低コスト化に加え、土壌に残った余分な肥料による環境汚染を防ぐメリットがあります。
5. この成果は、1月5日に英国の科学雑誌The Plant Journalでオンラインにて発表されました。予算:戦略的創造研究推進事業(さきがけ)「二酸化炭素資源化を目指した植物の物質生産力強化と生産物活用のための基盤技術の創出」(平成 25~28 年度)
【詳細は下記URLをご参照下さい】
・国立研究開発法人農業生物資源研究所 2016年3月29日発表
・国立研究開発法人農業生物資源研究所 ホームページ
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