ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社は、肌が反射する可視光領域の様々な波長の光量を高め、肌が生き生きと見える方法を探索した結果、1) 肌に含まれるルミカン※1の一部で、グリコサミノグリカンの一種であるケラタン硫酸に、受けた光を可視光領域の様々な波長の光に変換して反射する作用があること2) ショウブ・クジン・マジョラムのオリジナル複合エキスに、ルミカンの産生を高める作用があることを発見しました。
これらの発見により、ショウブ・クジン・マジョラムのオリジナル複合エキスを配合した化粧料を使用することで、肌のルミカン(ケラタン硫酸)の産生力が高まり、肌が反射する可視光領域の様々な波長の光量が増え、肌色がより生き生きと見えるように改善されることが期待されます。この研究成果は、2016 年 9 月 7 日~10 日にミュンヘンで開催された第 46 回欧州研究皮膚科学会議にて発表されました。
また、ポーラ・オルビスグループの株式会社ポーラから今夏発売される化粧品に活用される予定です。 ※1 グリコサミノグリカンとタンパク質が結合したプロテオグリカンの一
■「肌色の見え方」と可視光領域の波長の光の関係性に着目
太陽光の下では一般的な蛍光灯の下よりも物体が色鮮やかに見えます。これは、物体が太陽光に由来する可視光領域の様々な波長の光を反射するからです。一方、肌も受けた光を反射することにより、ヒトの目に肌色として認識されますが、年齢とともにくすみが増し、生き生きとした感じを失うことが知られています。私たちは、加齢した肌においても、肌が様々な波長の光を反射することができれば、肌色を生き生きと見せることができるのではないかと考え、受けた光を様々な波長の光に変換して強く反射することのできる肌内部の物質を探索しました。
■ケラタン硫酸の光変換作用とルミカンの加齢による減少
肌内部の様々な物質を調べた結果、グリコサミノグリカンの一種であるケラタン硫酸が、“受けた光を可視光領域の様々な波長の光に変換し、反射する能力が高い”、ことを見出しました(図1)。また、ケラタン硫酸は肌の中ではルミカン等のプロテオグリカンの一部として存在しますが、加齢した肌ではルミカンの量が減少していることを確認しました。
■オリジナル複合エキスがルミカンの産生を促進
肌におけるルミカンの量を高めるために、真皮線維芽細胞を対象とし、ルミカン産生を促進する素材を探索した結果、ショウブ・クジン・マジョラムのオリジナル複合エキスにルミカンの産生を促進する効果が見出されました(図2)。
【詳細は下記URLをご参照下さい】
・ポーラ化成工業株式会社 2017年5月8日発表
・ポーラ化成工業株式会社 公式サイト(企業情報)