ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社は、スキンケアクリームそのものの感触や見た目の違いによって、使う人の“日常の行動・態度を左右する意識”に変化が及ぶことを発見しました。この研究結果から、スキンケア化粧品はありたい自分を後押ししてくれるアイテムになりえる、と考えられます。本研究成果は、9 月 11 日~13 日に大阪で開催される第 19 回日本感性工学会大会にて発表されます。
■スキンケアクリームの感触や見た目により、日常の意識に違いが生じる ■
これまで、スキンケア化粧品の主な役割は、「肌にうるおいを与え健やかに保つこと」と考えられてきました。一方、ポーラ化成工業では、スキンケア製剤の感触や見た目が使う人の気持ちにも作用するのではないかと考え検証を進めてきました。これまでに、“スキンケア製品が『はつらつ』『わくわく』といった感情の状態に対して影響を与える”ということを明らかにしています(2017 年 3 月 22 日技術リリース)。
今回は、“「やる気」や「前向きさ」、「積極性」などの行動・態度に関わる意識への影響”を検証したところ、使用したクリームの種類によって意識に違いが生じることを突き止めました。研究では一般消費者 369 名を対象に、感触や見た目が異なる 8 種類のクリーム (図 1;P,Q,R,S,T,U,W,X) を2 日間ずつ使用したときの毎晩の心理状態を比較しました(7 段階での自己評価)。その結果、例えば、P のクリームより R のクリームを使った時に“自己充実的達成動機”が有意に高まっており、U のクリームより X のクリームを使ったときに“こだわりのなさ・執着心のなさ”が有意に高まっていました (図 2 および補足資料参照)。
■スキンケア化粧品によるライフスタイルの創造■
今後、“自己充実的達成動機”や、“こだわりのなさ・執着心のなさ” などにはたらきかけてくれる化粧品を設計・提供するため、製剤の感触や見た目と使用時の意識変化の関連性についてさらに研究を進めていきます。将来的には、その日の予定や自分のありたい状態を考えてスキンケアを選ぶといった新しいライフスタイルが生まれることも期待されます。
【詳細は下記URLをご参照下さい】
・ポーラ化成工業株式会社 2017年9月4日 【PDF】発表
・ポーラ化成工業株式会社 公式サイト