ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社は、メラニン産生細胞(メラノサイト)の移動に着目した新たなシミ改善技術を見出しました。
従来のシミ・色ムラの予防・改善の多くは、メラニン産生の増加や産生されたメラニンの排出不良にアプローチしたものでした。
同研究では、メラノサイト本来の移動が停滞するとシミ・色ムラの原因になる事を発見。メラノサイトを活発に移動させ、メラノサイトの密集を解消することで、シミ・色ムラ形成の原因へのアプローチとなることが期待されます。
同成果は 2017 年 欧州研究皮膚科学会年会 (47th Annual European Society for Dermatological ResearchMeeting)にて報告しました。また、ポーラ・オルビスグループの株式会社ポーラから来春発売される商品に活用される予定です。
■ メラノサイトの移動が停滞することがシミ・色ムラの原因になることを発見 ■
あまり知られていませんが、メラノサイトは本来移動することができる細胞です。この度、メラノサイトの移動が停滞すると、増加したメラノサイト同士が分散せず、局所に密集することがわかりました(図 1)。
さらに、メラノサイトは密集するとメラニンを過剰に産生してしまうようになり、これがシミ・色ムラの原因になっていることを確認しました(参考資料 1)。
そこで、メラノサイトの密集を解消するため、メラノサイトの移動に影響を与える因子を調べたところ、(1)ABR※という遺伝子がメラノサイトの移動を制御していること、(2)ABR の発現を抑制するとメラノサイトの移動が活発になり、分布が均一になることがわかりました(図 2)。
ABR とメラノサイトとの関連性についてはこれまで報告されておらず、本研究により初めてメラノサイトの移動性や過密性に関与することを見出しました。
※ABR:Active breakpoint cluster region-related protein の略称。細胞の形態や極性、移動に関与しています。
■ メラノサイトを活発に移動させるオリジナル複合エキスを開発 ■
ABRの発現を抑制する素材を探索した結果、ブルターニュ産海藻とローズマリー、ベイベリーバークとローズマリーの複合エキスが見出されました(参考資料 2)。
同エキスは、メラノサイトの移動を活発にし、密集状態を改善することでシミ・色ムラの改善に寄与することが考えられます
■リリースに関するお問い合わせ先■
株式会社 ポーラ・オルビスホールディングス コーポレートコミュニケーション室
Tel 03-3563-5540
Mail webmaster@po-holdings.co.jp
【詳細は下記URLをご参照ください】
・ポーラ・オルビスグループ 2017年11月30日【PDF】発表
・ポーラ化成工業株式会社 公式サイト