ポーラ化成工業株式会社は、天然の粘土鉱物に由来する「板状の粉体 ※1」に「花粉の肌への付着を抑える機能」があることを発見しました。この粉体は静電気を帯びにくいことから、肌に起こる静電気を抑制することで花粉の付着を抑えると考えられます。この技術は、既にポーラ・オルビスグループの製品で活用されており、今後、新たに発見した機能を生かし活用の幅を広げていきます。
※1 有機変性ヘクトライト
■花粉による肌荒れ「花粉皮膚炎」
近年、花粉症の罹患者数は増加しており、東京都では、40 年前の約 4 倍との報告もあります※2。花粉症の症状としては、くしゃみや鼻水などの他に、肌荒れを訴える方が多くいます。これは「花粉皮膚炎」とも呼ばれ、花粉が肌に付着することによって起こる症状とされています。特に、バリア機能が低下し肌が敏感な人は花粉による影響を受けやすいと考えられることから、スキンケアやベースメークにより付着を防ぐ対策が重要です。肌はもともと、衣類などとの摩擦により静電気を帯びやすく、空中に浮遊する花粉などの微粒子を引き寄せてしまう性質を持ちます。そこで、静電気を帯びにくい平らな粉体で肌を覆うことで花粉をブロックできるのではないかと考え、検証しました。
※2 花粉症患者実態調査報告書(2016 年、東京都福祉保健局)
■花粉の付着を抑える鍵 : 板状粉体が静電気の帯電を抑制
人工皮革に静電気を帯びさせてから花粉の付着率を測定すると、この粉体は、花粉の付着率を無塗布の1/3 にまで抑制することが分かりました(図 1)。これは人工皮革表面の静電気が抑制されたためと考えられ(図 2)、実際の肌でも同じように花粉の付着を抑える働きが期待できます。
■アレルゲンと花粉の両方をブロックする「板状粉体」によるバリア
上記のメカニズムにより、この粉体は空中に浮遊する様々な微粒子の付着を抑えることができると考えられます。また、この粉体は、株式会社 DECENCIA(ディセンシア)で展開している独自技術「ヴァイタサイクルヴェール®」などに使用されています。この技術は、ダニアレルゲンなどを物理的にブロックすることもわかっており、様々な外部刺激に対し、高いバリア機能を発揮すると期待できます。
【詳細は下記URLをご参照ください】
・ポーラ化成工業株式会社 2019年3月5日【PDF】発表
・ポーラ化成工業株式会社 ホームページ