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コラーゲンペプチドが毛髪に及ぼす影響について/森永製菓

森永製菓株式会社では、美容効果や健康機能に注目が集まる「コラーゲンペプチド」の研究を進めており、これまでも「肌の水分蒸散を抑制する」1)ことや「膝関節機能にかかわる普段の活動を改善する」2)ことを明らかにし、機能性の表示を届け出ております。さらに、「爪の水分蒸散を抑制する」3)ことや「骨形成の促進を助ける」4)ことについて研究成果を報告してきました。

今回は、コラーゲンペプチドを摂取すると毛髪にどのような影響を及ぼすのかを検証しました。

20~69 歳の毛髪に悩みのある健常な成人男女66 名を対象に、コラーゲンペプチドを10,000mg 含む飲料(コラーゲンペプチド含有飲料)、またはコラーゲンペプチド含有飲料からコラーゲンペプチドだけを除いた飲料(プラセボ飲料)を8 週間連続して摂取してもらい、毛髪状態に関する調査(VAS(VisualAnalogue Scale)評価法)や気分に関する質問(二次元気分尺度(TDMS-ST))を行いました。

離脱者や被験者管理事項に反した方などを除いた55 名を対象者とした統計解析の結果、毛髪状態に関する調査において、「抜け毛が少ない」、「毛の丈夫さ」が、プラセボ飲料を摂取したグループ(プラセボ群)と比べ、コラーゲンペプチド含有飲料を摂取したグループ(コラーゲンペプチド群)で統計学的に有意に変化(改善)していることが分かりました(図1、2)。

また、気分尺度の測定において、「イキイキした」、「活性度」の項目が、プラセボ群と比べ、コラーゲンペプチド群で統計学的に有意に高いことが分かりました。これにより、コラーゲンペプチド10,000mg を8 週間継続摂取することで抜け毛が少なく、毛が丈夫であると感じるようになり、気分もイキイキすることが示唆されました。


さらに、このコラーゲンペプチドの機能のメカニズムを考察するために、毛乳頭細胞※を用い、Hypやコラーゲンペプチドの育毛関連因子へ与える効果について検証しました。その結果、コラーゲンペプチドに特有のアミノ酸やペプチド(ヒドロキシプロリン、プロリルヒドロキシプロリン、グリシルプロリルヒドロキシプロリン)には、毛乳頭細胞の増殖を促進し、毛包周囲の毛細血管網の発達を促すVEGF(血管内皮細胞増殖因子)の遺伝子発現を上昇させる活性があることが分かりました(図3)。

これらのことから、コラーゲンペプチド摂取後に消化吸収されて体内を循環するコラーゲンペプチド特有のアミノ酸やペプチドが、毛髪の根元の毛細血管網を発達させることにより、毛母細胞に栄養や酸素がよりいきわたりやすくなり、髪の毛を丈夫に、抜けにくくしたとのメカニズムが考えられました。なお、この作用機序に関する研究成果は、 8 月29~31 日に藤女子大学(札幌)で開催された日本食品科学工学会 第66 回大会にて発表しました。

※ 毛乳頭細胞
ヒトの毛髪は、頭皮内部の毛包において、毛母細胞が増殖・分化することで形成され、成長期・退行期・休止期からなるヘアサイクルを繰り返し生え替わります。毛乳頭細胞は、毛包の基部に存在し、主として結合組織と毛細血管ループからなる毛乳頭を構成する細胞で、毛細血管から運ばれてくる栄養や酸素を取り入れ、周辺組織の毛母細胞に供給しています。

(参考文献)
1)山本ら. コラーゲンペプチド摂取による肌水分蒸散へ及ぼす効果. 薬理と治療
 2018; 46: 849-55.

2)山本ら. コラーゲンペプチド摂取による膝関節の自覚症状へ及ぼす効果. 薬理と治療
 2018; 46: 837-47.

3)森ら.豚由来コラーゲンペプチド摂取による爪の水分量および丈夫さに及ぼす効果. 薬理と治療
 2017; 45: 1787-1793.

4)下間ら. コラーゲンペプチド摂取による骨代謝マーカーへ及ぼす効果. 薬理と治療
 2019; 47: 493-501.

【詳細は下記URLをご参照ください】
森永製菓株式会社 2019年10月30日【PDF】発表
森永製菓株式会社 ホームページ

2019年10月30日 12:57

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