ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社は、リキッドファンデーションの課題である皮脂によるくすみ(以下、皮脂くすみ)を粉体乳化の技術により克服することに成功しました。この技術を活用することで、時間が経ってもくすみにくいことが期待できます。この知見は今後、ポーラ・オルビスグループの商品やサービスに活用されます。
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■ 粉体乳化でリキッドファンデーションの弱みを克服
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水と油のように混ざりあわないものを均一に分散させることを乳化といい、クリームやリキッドファンデーションなどの化粧品に広く用いられている技術です。通常は、水と油の間を取り持つために、水になじむ部分と油になじむ部分を合わせ持つ「界面活性剤」が乳化剤として用いられます。ポーラ化成工業では、乳化に界面活性剤ではなく粉体を使う「粉体乳化」の研究も行っています。これは水と油のそれぞれに親和性のある粉体を利用し、水と油の間を取り持たせる方法です。粉体の利点を活用することで、これまでに、服などに付きにくいリキッドファンデーション※1や、海水や汗と反応し耐水性が高まるサンスクリーン※2の技術などを確立してきました。今回さらに研究を進め、リキッドファンデーションの課題だった「皮脂くすみ」を克服することに成功しました。
※1 2019年の国際化粧品技術者会(IFSCC)中間大会にて発表 「スポンジのような化粧膜となる二次付着しないファンデーションの開発」。
参考リリース:「9割の女性が悩むファンデーションの二次付着を解決」(2019年10月4日) http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20191004_4.pdf
※2 2016年のIFSCC世界大会にて発表 「海水を味方につけて機能を上げる日焼け止め“Sea-friendly sunscreen”の開発」。
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■ きっかけは研究員の気づき
-粉体乳化リキッドファンデーションは皮脂が混ざってもくすまないことを発見
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界面活性剤で乳化したリキッドファンデーションにおいては、皮脂が加わるとくすむことが知られていました(補足資料1)。しかしポーラ化成工業では粉体乳化の研究の過程で、粉体乳化のリキッドファンデーションは皮脂を混ぜてもくすみにくいことを発見。この発見をもとに研究を進め、皮脂によるくすみを効果的に抑制することに成功しました(図1)。また、これは、油分によって色素の分散が影響を受けにくいためだと考えられました(補足資料1)。
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■ 実際の使用に近い条件での違いも検証
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実際の使用シーンに近い条件でも効果を確認するため、皮脂を薄く塗布した上にリキッドファンデーションを塗り見た目を比べたところ、皮脂くすみが抑えられることが確認できました。また、粉体乳化リキッドファンデーションでは皮脂によるくずれも防ぐことが観察されました(補足資料2)。
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■ 乳化に使用する粉体の工夫で汗によるくずれにも強く
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粉体乳化リキッドファンデーションには、汗によるくずれにも耐性を持つことが分かっています。今回の開発ではさらに、疎水性の高い粉体を用いて乳化することにより、従来よりも汗をはじいてくずれにくく、化粧持ちの良さを高めることに成功しました(補足資料3)。
本研究により、皮脂くすみを防ぐ技術を確立することができました。さらに汗による化粧くずれを防ぐ機能の強化にも成功し、リキッドファンデーションの持っていた大きな課題を克服できたことになります。ポーラ化成工業では今後もお客様のニーズに応えるため独自の乳化研究を続けていきます。
【詳細は下記URLをご参照ください】
・ポーラ化成工業株式会社 2021年11月16日【PDF】発表
・ポーラ化成工業株式会社 公式サイト