日本ハム株式会社は、関西医科大学との共同研究で、高たんぱく質乳製品および食肉含有加工食品等の提供と運動負荷を組み合わせることで要支援・要介護高齢者の筋肉量の増加を介して、高齢者のフレイル予防効果を実証しました。
また、被験者に体組成、自己効力感、食事への考え方を説明した結果、日常の食生活における食品選択において、たんぱく質の多い食品を選択するという行動変容を得ることができました。同研究成果は、2022年2月28日に、日本健康医学会雑誌に論文受理されました。
日本健康医学会は、人間の健康を身体的、精神的、社会的など多角的に考究し、実践を伴って健康の保存、改善、増進に役立てることを理念とした基礎医学から臨床医学に重きをおいた学会です。
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■ 実証実験の概要
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【被験者】
65歳以上(健康で運動と食事提供が受けられる方) 27名(平均年齢81.2歳)
【試験デザイン】
オープン試験
【試験方法】
(食事)週2~3回の筋力運動教室での運動後の食事会参加と、週4回の自宅食を補助するための加工食品(たんぱく質 1日20g)の提供を3カ月間
(運動)週2~3回の筋力運動教室の参加。ストレッチ、有酸素運動、筋力トレーニング、リラグゼ―ション(計180分)
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■ 結果
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2021年3月15日~9月20日の半年間を、たんぱく質平均20g / 日分の食品の提供および週1~2回のリハビリセンター(デイサービス)内で行われている筋力運動教室への参加の3ヶ月間と、食事提供をやめた3ヶ月間を比較したところ、食事+運動介入した期間で要支援・要介護高齢者の筋肉量および握力(右手)が増加し、運動のみ介入後には筋肉量の低下が見られました。(グラフ参照)
これらの結果より、高たんぱく質乳製品および食肉含有加工食品等の提供と運動負荷を組み合わせることで要支援・要介護高齢者の筋肉量の増加を介して、高齢者のフレイルを予防できることが示唆されました。また、被験者に体組成、自己効力感、食事への考え方を説明した結果、日常の食生活における食品選択において、たんぱく質の多い食品を選択するという行動変容を得ることができました。
平均値 ± 標準偏差
p value = Repeated
measures one-way ANOVA
vs 1回目 * < 0.05, *** < 0.001
vs 2回目 # < 0.05, ### < 0.001
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■ 今後の取り組み
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同介入試験で得られたミニメンタルステート検査、一般性セルフ・エフィカシー尺度評価、血清の生化学検査値、遊離アミノ酸、MCIマーカーおよびマイオカイン濃度と身体組成との関係性についてまとめます。また、医療と介護、自治体と流通のみなさまを食肉・加工品・水産品・乳製品とサービスの提供でつなぐ役割を担い、地域の健康を包括的に支援します。
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西山 利正(にしやま としまさ)
関西医科大学 衛生・公衆衛生学講座
教授 兼 学生部長
医師、医学博士
専門領域
公衆衛生学、渡航医学、熱帯医学、国際保健学
(コメント)
「 今回の介入研究は、要支援・要介護に陥られた高齢者・ご家族に同意を取り、一定の運動をして頂き、ニッポンハムグループの高たんぱく質乳製品および食肉含有加工食品等を朝、昼、晩と複合的に食事として食べて頂いた結果であり、他に類を見ないものです。たんぱく質を摂って適度な運動をすることで要支援・介護度が戻り、フレイル状態からの改善が見られました。さらに、加工品やお肉を食べても同時に継続した運動をおこなうことで、コレステロール値などは動きませんでした。このことから、塩分や糖質を気にする方には、それらに着目した商品を用いることで安心してたんぱく質を摂取でき、適度な運動を組み合わせることによってフレイルを予防することができると考えます。
また、身体機能の向上が認められ、握力と歩行速度が上がったことで、被験者の方から「握る力が強くなったので手指作業が楽になった」「横断歩道を楽に渡れるようになった」との嬉しい声を頂き「自分の食事の内容を改めて見直して買い物をするようになった」とも仰って頂いています。
今回の介入研究では、これからの健康長寿社会に向けて、食と運動を合わせておこなうことが極めて重要であることが実証されました。このように高齢者の食事と運動について共に考え会話できる場として、地域スーパーや小売店とタイアップした高齢者の健康をサポートする仕組みを日本ハムさんが継続的に醸成されることを願ってやみません。 」
【詳細は下記URLをご参照ください】
・日本ハム株式会社 2022年4月8日発表
・日本ハム株式会社 公式サイト
・関西医科大学 公式サイト