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世界初、藍藻類スイゼンジノリの屋内での大量培養技術の確立に成功ーヒアルロン酸の5倍以上の保水力をもつ「サクラン®」の安定供給に向け、試験的生産を開始-/DIC、グリーンサイエンス・マテリアル

DIC株式会社(以下「DIC」)とグリーンサイエンス・マテリアル株式会社(以下「GSM社」)は、世界で初めて(*1)藍藻類スイゼンジノリ(*2)の屋内での大量培養技術の確立に成功しました。今後量産化の検討を進め、2023年までに人工培養したスイゼンジノリから抽出した多糖類「サクラン®」(*3)の上市を目指します。

DICとGSM社は2021年3月より資本業務提携を開始し、スイゼンジノリの屋内での大量培養技術の確立に向け取り組んできました。GSM社で継続してきた研究成果とDICがスピルリナの生産で培った大量生産技術を掛け合わせることで、今まで困難とされていた屋内の管理環境下でのスイゼンジノリの培養条件を見いだし、世界で初めて量産化技術の確立に成功しました。天候など外部環境の響が無く、至適条件下で培養することで、スイゼンジノリが効率良くサクラン®を分泌することも可能になります。これらの成果を元に、スイゼンジノリの大量培養とサクラン®の安定供給を実現します。

[写真]
藍藻類スイゼンジノリ(左)、スイゼンジノリから抽出した「サクラン」(中央)、屋内での藻類培養(右)

同社は今後、サクラン®を日本発のオリジナル化粧品原料としてグローバルに展開することを目指し、更なる効率化による低コスト化を実現できるよう邁進します。将来的には、数十トン以上のスケールでスイゼンジノリを培養出来る体制を構築し、繊維、メディカルやサプリメントなど様々な分野への用途拡大も目指します。

これらの取り組みに加えて、両社はスイゼンジノリの培養技術の知見や研究成果を、スイゼンジノリが唯一天然で生育・養殖されている黄金川(福岡県朝倉市)の保全や、GSM社が熊本県益城町で取り組む屋外養殖の事業拡大に生かすような取り組みも積極的に進めていきます。

DICグループは、長期経営計画「DIC Vision 2030」で掲げた”Quality of Life(QOL)”社会への貢献を実現すべく、ヘルスケア領域におけるバイオビジネスの強化を通じ、藻類から得られる機能性素材を活用することで、ヘルスケア分野やパーソナルケア分野でお客様にとって価値のある製品を提供していく所存です。

(*1) 藍藻類スイゼンジノリの屋内での人工培養技術において(2022年8月現在、DIC調べ)

(*2) スイゼンジノリについて
日本の限定された地域(九州の阿蘇山系の伏流水)にしか生息していない非常に珍しい藍藻です。近年では様々な環境変化の影響で収穫量が減少する傾向にあります。

(*3) 「サクラン®」について
スイゼンジノリから抽出した超高分子量多糖類で、ヒアルロン酸の5倍以上の保水力を持つ高い保湿性に加え、バリヤ性、抗炎症効果にも優れています。既にサクラン®が含まれた化粧品や繊維・衣料品などは商品化されています。
また、サクランという名称はGSM社の登録商標です。

(写真:スイゼンジノリが自生する黄金川(福岡県朝倉市))

【詳細は下記URLをご参照ください】
DIC株式会社  2022年8月4日発表
DIC株式会社  公式サイト
グリーンサイエンス・マテリアル株式会社  公式サイト

2022年08月05日 18:57

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