オリザ油化株式会社(愛知県一宮市)は、2016 年に業界に先駆けて体内時計のリズムの調整による精神的 QOL 及び活力改善作用を訴求したパッションフラワーエキスを上市している。パッションフラワーエキスには、GABA 作動性システムを調整し、間接的に GABA の作用を増強することや、時計遺伝子の発現を増強することで概日リズムを調整することによる活力改善作用が知られている。さらに、2021 年 7 月に「肌質改善剤」、2022 年 1 月に「概日リズム改善剤」として特許権を取得している。
パッションフラワーには主たる有効成分として、フラボノイドが多く含まれていることが知られている。この度、同社では機能性関与成分をパッションフラワー由来フラボノイドとして、日常生活で生じる一時的な活力感の改善作用を有する研究レビューをまとめ、同成分を配合した機能性表示食品の届出が受理された(届出番号:H987)ことを発表した。
現在、同社ではパッションフラワー由来フラボノイド 3.0%以上を規格した粉末である「パッションフラワーエキス-P」とパッションフラワー由来フラボノイド 1.0%以上を規格した水溶性粉末である「パッションフラワーエキス-WSP」を上市している。届出が受理された製品は「パッションフラワーエキス-P」を使用し、機能性関与成分のパッションフラワー由来フラボノイドが 3 粒あたり 6 mg 配合されており、表示しようとする機能性として、「本品にはパッションフラワー由来フラボノイドが含まれます。パッションフラワー由来フラボノイドには仕事や家事などの日常生活で生じる一時的な活力感(元気いっぱい、活力にあふれていたなど)の低下を軽減する機能が報告されています。」(届出番号:H987)としている。
科学的根拠は、機能性関与成分であるパッションフラワー由来フラボノイドの経口摂取における疲労感の改善に及ぼす影響についてシステマティックレビュー(SR)を行った結果である。SR に採用した RCT の臨床論文は、CRO で実施した生活リズムが乱れがち、もしくは仕事や家事に従事する際に身が入らない、やる気が出ない健常な日本成人男女 44 名を対象にし、パッションフラワー由来フラボノイドの継続摂取による精神的疲労感や活力への効果を評価したランダム化二重盲検比較試験である。1 日あたり 6 mg のパッションフラワー由来フラボノイドを継続摂取することにより、仕事や家事などの日常生活で生じる一時的な活力の低下を軽減することが示されている。
活力感の低下軽減を訴求する新しい機能性表示食品対応素材であるとともに、パッションフラワーは日本では「トケイソウ」とも呼ばれ、体内時計を調節する作用ともリンクしている。古くからヨーロッパではハーブとして知られており、ヨーロッパ薬局方にも記載のある植物であるが、日本では食薬区分で「非医」のリストに収載されている。今回の届出受理により、同社では尿酸値低下を謳うルテオリンを機能性関与成分とする菊の花エキスをはじめとする 12 素材 19 ヘルスクレームの機能性表示食品対応素材の1 つとして提供可能となった。オリザ油化では、今回の届出受理を機に、活力感の低下軽減するについて訴求した機能性表示食品に興味ある潜在顧客への積極的な提案を行っていく予定である。
<補足>
図:パッションフラワー由来フラボノイド含有サプリメントを 12 週間摂取後の活力スコアの変化
【詳細は下記URLをご参照ください】
・オリザ油化株式会社 2023年2月15日【PDF】発表
・オリザ油化株式会社 公式サイト