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日本大学と培養肉製造を目的とした共同研究を開始/荏原製作所

荏原製作所(以下:荏原)は、脱分化脂肪細胞(dedifferentiated fat cells、以下:DFAT*1)の開発者 日本大学 生物資源科学部 加野浩一郎教授*2と、培養肉製造を目的とした共同研究を開始しました。

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1. 背景
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近年、細胞培養技術を用いた新しい食料生産方法の細胞農業が世界中から注目されています。将来的な人口の増加に伴い、タンパク質不足などの食料問題が懸念されていますが、伝統的な畜産や農業による生産だけでは課題を解決することが難しいと言われています。また、生産を拡大することで、温室効果ガスの排出の増加、水産資源の枯渇といった環境面や、アニマルウェルフェア(動物福祉)の観点での課題があります。

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2. 概要
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加野教授は、成熟脂肪細胞を自発的に脱分化させることによって、種々の細胞に分化転換する新規の多能性細胞DFATを開発しました。DFATは、食肉加工の過程で廃棄される脂肪組織から大量かつ安定的に製造ができ、筋細胞および脂肪細胞に分化可能で、培養肉をはじめ、細胞農業のさまざまな用途で安定的な細胞ソースとしての活用が期待されています。

荏原は、同社が培ってきた流体制御技術や装置機器設計ノウハウを活用したDFAT大量製造装置の設計開発を行い、細胞農業事業の実現を加速させていきます。

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3. 今後の展開
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同社はDFAT大量製造装置と大量培養装置の開発により、細胞生産技術の合理化を実現し、細胞農業が広く社会に普及することを目指します。今後も、長期ビジョン「E-Vision2030」で掲げる「進化する豊かな生活づくり」に貢献していきます。

荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていきます。

*1 DFATは、終末分化した成熟脂肪細胞を培養して自発的な脱分化を誘導することによって作製された細胞であり、高い増殖能力と、骨、軟骨、血管、筋および神経細胞などへ分化転換する多能性細胞です。日本大学 加野浩一郎教授がDFATを開発し、主に医学領域での活用が検討され、日本大学を中心に、細胞治療の臨床応用に向けた研究開発が推進されています。

*2 日本大学 加野浩一郎教授
日本大学農獣医学部(現生物資源科学部)卒業。神戸大学大学院 自然科学研究科 博士後期課程修了、博士(農学)。1994年神戸大学農学部 応用動物学科助手を経て、2000年日本大学生物資源科学部講師として着任。2013年より現職。

【詳細は下記URLをご参照ください】
株式会社荏原製作所   2023年6月21日発表
株式会社荏原製作所   公式
日本大学   公式

2023年06月22日 13:35

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