「1人でも多くの女性に正しい綺麗を」をビジョンに高性能なスキンケアの開発とOEM製造を行う株式会社サティス製薬は、種子を発芽させることにより肌に塗布する化粧品に最適な形でハトムギの力を引き出すことに成功したオリジナル化粧品原料『発芽ハトムギエキス』に関して、新たにKLK5産生促進作用を認め、角質剥離効果があることを明らかにしました。
栄養成分に富むハトムギの種子は、古くから生薬「ヨクイニン」として利用され、滋養強壮や解熱鎮痛消炎効果があることで知られています。また、経口による美容効果としては、イボ・肌荒れに効くとされています。イボや肌荒れは、異常な細胞増殖や、ターンオーバーの乱れにより古い角質が剥がれ落ちず堆積することで発生しますが、ヨクイニンを経口で摂取すると、ターンオーバーが正常化され、不要な角質の排出を促すことで改善すると考えられます。
ハトムギの種子には栄養成分としてタンパク質が13%含まれており、これは白米の5倍の含有量となります。高分子であるタンパク質は経口摂取後、体内の消化酵素によって低分子性のアミノ酸へと分解され、体内に吸収されて生体組織に必要なタンパク質合成に利用されます。酵素によって低分子化されたアミノ酸は、真皮線維芽細胞の賦活作用によるコラーゲン産生促進効果や、経口摂取において、紫外線暴露下でのコラーゲン産生改善効果が報告されています。これが、ハトムギによる美容効果のメカニズムの一つであると考えられ、ハリのあるなめらかな肌へと導くことが示唆されます。
これまでは、ハトムギの豊富な栄養成分をそのまま化粧品に配合するため、生薬として利用されてきた未発芽の状態から成分を抽出することで化粧品の原料が作られてきました。しかし、そこに含まれているのは高分子性のタンパク質であるため、実はその美容効果は高分子の被膜効果による水分保持にとどまっていました。
種子は発芽・成長に必要なエネルギー源をタンパク質やデンプンといった高分子化合物として貯蔵し、休眠しています。しかし、ひとたび発芽の条件が整うと、多くの酵素が動き出して代謝が活性化され、高分子化合物はアミノ酸や糖といった成長に必要な低分子性の栄養成分へと変換されます。これは、経口摂取後、体内の消化酵素による分解と近しい状態になります。
以上のことから、発芽させて栄養成分を低分子に変換したハトムギからの抽出物は、化粧品においても、ターンオーバーを正常化し、角質を整える効果が高いのではないかと考えました。
同社は、昨年、発芽ハトムギエキスがシワ・ハリを改善する化粧品原料であることを明らかにしておりましたが、今回、新たにKLK5(カリクレイン5)産生促進効果を確認いたしました。
角質を整えるためには、肌のターンオーバーを正常化させることが大切です。表皮では一定のリズムで細胞が生まれ変わっており、古い角質が剥がれ落ちることで肌はなめらかに整えられ、また角質に貯留されたメラニン色素の排出も促されます。しかし、ターンオーバーが乱れ、不要な角質が蓄積されると、肌が肥厚してごわついたり、くすみを引き起こしてしまいます。
角質を整えるために重要なのが、角質が垢となって剥がれ落ちる細胞剥離というターンオーバーの最終工程です。
この細胞剥離に必要になるのがKLK5と呼ばれる酵素です。KLK5は酸性環境によって活性化されるタンパク質分解酵素で、コルネオデスモソームという細胞同士を強固に繋いでいる細胞接着因子を分解します。角層は上に行くほど酸性になるため、KLK5は角層上層のコルネオデスモソームを分解して不要な角質を剥がします。
発芽ハトムギエキスは、KLK5の産生を促進させ、比較品のヨクイニンエキスよりも有意に高い活性をもつことが明らかとなりました。この結果より、発芽ハトムギエキスは経皮に塗布する化粧品においても、しっかりとターンオーバーを促進する効果を発揮すると考えられ、肌の肥厚によるごわつきや色素貯留によるくすみの改善効果が期待できます。
・今後の展望
ターンオーバー異常から起こる角質肥厚は、肌のごわつきやくすみの他にも、キメの乱れや乾燥等、様々な肌トラブルの原因となります。同社では、OEM製造を通じて多くの化粧品へ「発芽ハトムギエキス」を配合し、角質剥離効果によって、ターンオーバー異常から引き起こされる肌トラブルを改善します。今後も、肌に最適な形で素材の力を引き出す手法を用いて、日本の植物を独自に活用した有効性の高い化粧品原料の開発を進めてまいります。