世界一美しいカラダになるにはどうすればいいのか。それ以前に美しいカラダになるにはなにをすべきなのか。「ダイエット」、「カロリーを制限」、「食べない」、「運動する」…。厳密いえば、どれも不正解だ。
さきごろ、「2012 ミス・ユニバース・ジャパン」横浜大会に向けたビューティーキャンプがスタート。そこで、“世界一予備軍”の美女達に世界へ通用する美しいからだづくりのためのセミナーが開催された。美の世界基準を知る専門家のアドバイスは、ひとつひとつが一般のダイエットレベルとは一線を画す背筋の伸びる内容だった。
「世界を目指す体づくりにおいて“痩せる”という言葉はない。鉄則は“絞れますか”」、「食べないという選択肢はない」。横浜大会に出場する8名に釘をさすように言い放ったのは、Luvtelli主宰で同ビューティーキャンプ講師の細川モモ氏。その真意は明快だ。
痩せるという響きには、身を削り、やつれる、というどちらかといえば負の印象がある。世界の舞台で戦うにおいては、しっかりした筋肉に加え、ほどよい脂肪も必要となる。従って、そうした目的に反するカロリー抑制や食事制限はマイナスこそあれ、プラスは何もない。世界ナンバーワンボディメイクにおいては「不適切な食事」はご法度なのだ。
「食べることによって体は作られる。食べることによって老化もするし、アンチエイジングもできる。食事というのは美しい体づくりにとってそれほど重要なもの。だからしっかりと栄養素や食べ物のルールついて知り、正しい食べ方を知って欲しい」と細川氏は適切な食事の仕方の大切さを力説する。
その上で、細川氏は3つのポイントを示した。キーワードは「抗酸化」、「抗糖化」、「抗炎症」だ。「抗酸化」は、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカルなどで、いかに体をさびさせないかのカギを握る。抗糖化は、昨今の美容業界のホットワードでいかに焦げさせないか、という観点。血糖値を緩やかに上げる低GI食品を食べることなどで対処する。3番目の「抗炎症」は、にきびや湿疹、くしゃみなど何らかの炎症に対する症状を抑えるためのワード。油の摂取の仕方がポイントとなり、きれいな油であるオメガ3やオメガ9、オリーブ油などがいいという。
食事を中心にした世界ナンバーワンボディメイクの処方に続いては、バイタルデータ(生体情報)をもとにした講座が行われた。それに先立ちまず、同キャンプをサポートするタニタのマルチ周波数体組成計「MC-980A」で8人の体幹部、左右腕、左右脚などの部位別の対組成が測定された。
その結果を踏まえ、昨年のビューティーキャンプもサポートしているタニタの宇野薫氏は「体幹部の筋肉のなさは衝撃的。体の中心部の筋肉が不足することによって体がゆがみます。その結果、あちこちにそのひずみが出て、表面的にはセルライトなどとして現出します。そもそも筋肉なしでは世界の舞台で戦えません。9㎝以上のハイヒールで軽やかに歩くには十分な筋肉が必要。ロングスカートだってうまく履きこなせません」と厳しい口調で話した。
ビューティーキャンプの期間は1ヶ月弱。12月上旬のファイナリストの選考会まで時間ははわずかしかない。そうした中で宇野氏は「現状把握、目標設定、戦略、実行。時間が限られていますが、この4つのサイクルでボディマネジメントしていくことが大切。今回計ることによって、課題が分かった。それをもとに個別メニューを作成しますが、個々人がそれをどう受け止め、どう実行していくが世界への一歩につながる」と“予備軍”8人にアドバイスを送った。
「2012 ミス・ユニバース・ジャパン」は2011年12月上旬にファイナリスト選考会の後、ファイナリストトレーニングを経て、2012年3月後半にも約2週間のビューティーキャンプを予定。その後、2012年4月初旬に日本最終選考会を経て世界大会へとつながる。
世界一の美しいカラダ――。誰もがあこがれる“究極美”を手に入れるには、ある程度の天賦も必要かもしれないが、正しい食事、ボディデータの把握、それを踏まえた戦略的トレーニング、そしてなによりも、目標を達成するという強い意思が重要といえそうだ。