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医療・美容分野における皮膚の改質・再生に有効な、大気圧プラズマ照射装置の開発に成功/東京都市大学、泉工業

東京都市大学工学部医用工学科の平田孝道教授ら研究グループと泉工業株式会社では、医療・美容分野における皮膚の改質・再生に有効な、大気圧プラズマ照射装置を開発し、2017年6月23日(金)に記者発表会を実施しました。

今般開発した装置は、対象者の肌質および疾患[1]の症状に応じて、照射する大気圧プラズマの密度、強度、時間、距離、また粒子の種類や配分を調整し、最適な照射条件を設定できる点に特長があります。従来の高周波、遠赤外線、レーザーといった治療法と比べ、生体への刺激が少ない上、皮膚の深層から細胞代謝を活性させるため、自然な表皮を再生できます。

医療・美容を目的として開発された装置は国内初で、今後は臨床試験を経て、医療機器として2022年の製品化を目指します。

プラズマ医療は、プラズマ[2]を利用して人の細胞を直接治療する方法で、次世代の革新的治療法として注目を集めています。国内では、外国製プラズマ照射装置の導入が始まっているものの照射内容が固定で、メンテナンスに対する要望も多くあることから、国産装置の開発が求められています。

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■プラズマ医療とは
プラズマを利用して人の細胞を直接治療する方法。プラズマから生成される熱、紫外線、イオン種、並びに化学活性種を利用した治療は乾式で非接触のため、患者への肉体的負担が少ないという特徴がある。皮膚疾患、創傷治癒、ガン治療などの次世代の革新的治療法として注目されている。特に皮膚疾患に関し、医療分野では、糖尿病による壊死や火傷への治療法として、美容分野ではレーザーの代替として期待が寄せられている。

■実用化に向けた取り組み:「プラズマACTYコンソーシアム」の設立について
東京都市大学と泉工業株式会社が行ってきた共同研究「プラズマを用いた疾患治療装置の開発」[経済産業省の2015年度公募事業「シーズ発掘調査事業」(事務局:一般社団法人コラボ産学官)]が、実用段階を迎えつつあることから、「プラズマACTYコンソーシアム」を設立し、今後の研究推進ならびに成果の事業化に向けた活動を行う。

◎設立年月日:2017年6月1日

◎発起人:
東京都市大学 工学部医用工学科 平田 孝道、森 晃、小林 千尋
泉工業株式会社(代表取締役:塩脇 勝実)
一般社団法人コラボ産学官(代表理事:小島 陽)
横浜信用金庫(理事長:大前 茂)
知財経営研究社(代表:松平 竹央)

◎主な活動内容:
プラズマ治療装置のユーザーとなる医師やその患者、および関係者との情報交換および啓発活動

[1] 疾患例:やけど、床ずれ、糖尿病による壊死、肌質改善(美白・脂性肌)、小じわ、毛穴の開き、ニキビ・ニキビ痕、薄い肝斑

[2] イオンやオゾンなどの活性種を含む様々な物質から成り立つ気体。半導体分野で使われていた技術だが、エネルギー量を調整することで滅菌・殺菌に応用でき、また近年生体の細胞が治癒・増殖することが実証された

【詳細は下記URLをご参照下さい】
東京都市大学 2017年6月28日発表
東京都市大学 公式サイト
泉工業株式会社 公式サイト

 

 

2017年06月28日 17:59

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