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眠りの状態を定量的に評価する廉価な睡眠計が登場

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(株)タニタ(本社東京都板橋区、谷田千里社長)は2010年4月6日、睡眠計「スリープスキャン」を5月中旬に発売することを発表した。医療機関、運輸関係、宿泊施設、美容関連施設などへ展開する。

同製品は、眠りの状態を定量的に評価して表示する機器。同社が約3年前に開発した機器をベースにシステムや機能面を調整するなどで、価格を大幅に抑え、一般向けも視野に入れたモデルとして仕上げた。

「昨今、不眠症など睡眠障害に関わる問題がクローズアップされています。日本では現在、5人に1人が何らかの形で睡眠に関わる悩みを抱えているといわれています。ところが、睡眠障害の検査となると身体的、金銭的な負担が強いられるなどで対応が思うように進んでいないといわれています。安価で簡単に睡眠状態をチェックできるこの機器が、そうした悩みを少しでも緩和し、健康管理に役立てればよいと考えています」と同社・谷田社長は説明した。

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同機器は、計測ユニットとセンサーマットの一体構造。これを寝具の下に敷いて使用する。マットには精製水が注入され、対象者の動きを圧力センサーが感知。脈拍数、呼吸数、体動を検出し、SDメモリーカードに記録する。

この結果をパソコンに移し、専用アプリケーションで同社独自のアルゴリズムを基に睡眠状態を解析する。睡眠の深さが、4段階でグラフ表示されるほか、睡眠時間、寝つき時間、目覚め回数などの状態を定量的に評価し、独自の睡眠点数を算出する。そのほか、計測日時の記録を睡眠日誌としてグラフ化し、睡眠習慣の時間的傾向を把握することもできる。

医療機関で一般的に行われている睡眠障害の検査時のように体が拘束されることがなく、電極を取り付ける必要もなく、リラックスした状態で計測できるなど、対象者に負荷がかからない。それでいて、その精度は、本格的機器の約7割ともいわれ、充分に活用できる。さらに、医療機関では、一度の検査にかかる費用が高額だが、同機器は、かなりコストを抑えられており、金銭的負担も少ない。

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同社ではすでに、立山システム研究所(富山県富山市、水口勝史社長)を通じ、徳島県美馬市でのモニター導入を決定。フィールドでの検証を進めながら、同機器を通じた生活習慣の改善、QOL向上、質の高い睡眠意識の啓蒙などを展開しつつ、拡販を図る。初年度の販売目標は1万台。税込の価格は3万6,750円。

2010年04月06日 18:36