健康と美容のニュースなら健康美容EXPOニュース

「ニガヨモギ油」の抗菌性を応用し、「防腐剤・ジオール系成分フリー処方」の化粧品開発に成功

0801-r1.jpg

化粧品原料・処方開発を行う、株式会社エヌ・ピー(本社:東京都、代表取締役:中村たかお、以下「NP」)は、植物由来のエキス成分「ニガヨモギ油」(化粧品全成分表示名称)の抗菌性を応用することで、「防腐剤・ジオール系成分フリー処方」の化粧品開発に成功しました。

この「ニガヨモギ油」は、新規化粧品成分としてINCI名を取得し、日本国内では現時点で数件の特許を出願しております。

【開発の背景】

化粧品に配合されるパラベン等の防腐剤は、開封後の化粧品を腐敗から防ぐために必要な成分です。

また近年では、パラベン類を配合することなく、防腐を可能にする処方の開発も進んできています。しかし、パラベン等の防腐剤による皮膚刺激感を訴える消費者がいることも事実で、より安全で、且つ安心できる成分により化粧品の防腐が実現できるよう、様々な角度から新規成分の調査・研究を続けてきました。

その結果、フランス・リヨン市のNP海外事業部との共同研究により、古来より食品や酒類に苦味を付ける目的や健胃薬などに使用されてきた「ニガヨモギ」の蒸留エキスの抗菌性を調査して、新規化粧品成分としての「ニガヨモギ油」を開発し、このたび「防腐剤・ジオール系成分フリー処方」の開発に成功しました。

【ニガヨモギ油とは】

◆ニガヨモギとは

学名は「Artemisia absinthium」といい、キク科ヨモギ属の多年草あるいは亜潅木です。

生薬としては「苦艾(くがい)」と呼ばれています。主な原産地は、ヨーロッパで、北アメリカ、中央~東アジア、北アフリカにも分布しています。

古来より北欧では葉、枝を健胃薬、駆虫薬として使用しており、干したものを袋に詰め衣類の防虫剤としても使っていました。

また、清涼飲料水、リキュール、ハーブ酒に香り付けなどの目的で使用されており、食品添加物としての認可もあり、カフェインと同様の苦味料に分類されている。

ニガヨモギを用いたリキュールでは「アブサン」がありますが、白ワインに、ニガヨモギなどのハーブを浸けた「チンザノ」などのベルモットの方が一般に親しまれています。

◆化粧品成分「ニガヨモギ油」

ニガヨモギ油は、新規化粧品成分であり、INCI名と化粧品全成分表示名称は以下で登録済みとなっています。

INCI名 Artemisia Absinthium Oil

表示名称 ニガヨモギ油

植物由来エキス成分「ニガヨモギ油」の抗菌性を応用した防腐剤・ジオール系成分フリー処方の化粧品を開発

【ニガヨモギ油の抗菌・防腐効果の研究結果】

◆サルモネラ菌の増殖抑制効果

0801-r2.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2%アポラクトフェリン【乳清由来成分】と4%「ニガヨモギ油」とでは、殆ど同じレベルで、サルモネラ菌増殖抑制効果が確認されました。

◆化粧品処方による抗菌テスト

0801-r3.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実際の化粧品(ローション)処方で、パラベン類などの各種防腐剤やジオール系防腐機能成分を、一切添加せず、2%「ニガヨモギ油」のみで抗菌テストを行った結果、28 日目で菌数を抑えることが確認できました。

【今後の展開】

今後は、「ニガヨモギ油」をベースとした防腐処方の幅を拡げ、自社化粧品の処方に活用する計画で進めています。

また本原料を使用した「防腐剤フリー」「ジオール系成分フリー」での防腐処方アレンジを請負う形のOEM企画業務も併行して、行っていく予定です。

本原料のみの販売は、まだ計画しておりませんが、今後、原料としての販売も検討しています。

関連記事