電気ショック療法による重度うつ病の緩和機序が明らかに 【海外ニュース】

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電気ショック療法による重度うつ病の緩和機序が明らかに

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重度のうつ病治療に有効であるにもかかわらず、その機序があまり解明されていない電気ショック療法(electroshock therapy)。同療法が患者の脳に及ぼす影響に関する洞察(insight)が、新しい小規模研究によってもたらされた。

機能的MRI(fMRI)スキャンを用いて重度うつ病患者の脳の活動を調べたところ、うつ病患者では電気ショック、すなわち電気痙攣(けいれん)療法(ECT)が脳の異なる領域間の結合を弱めることが判明した。電気ショック療法は76年の歴史があるにもかかわらず、記憶障害など副作用の懸念のため医師からは強い抵抗を受けており、通常、抗うつ薬や他の治療に反応せず、自分自身または他人を傷つけるリスクのある患者にのみ使用されている。

米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に3月19日掲載された今回の研究は、英スコットランド、アバディーン大学神経画像教授のChristian Schwarzbauer氏らによるもの。同氏らは重度のうつ病を有する成人9例を対象に、一連の電気ショック療法前後に全脳fMRIスキャンを行った。

被験者には悲しみや疲労など症状が治まるまで週2回の治療を行った。被験者は研究前に抗うつ薬に反応しなかったか、過去6カ月以内に電気ショック療法を受けていた。ただし、4例は抗精神病薬を服用していた。同氏らは、背外側前頭前野皮質(dorsolateral prefrontal cortex)と呼ばれる脳前部の領域に焦点を絞った。スキャンの結果、電気ショック療法後の脳の多くの他の領域との結合は少なく、弱くなっていた。

同氏は「今回の研究で、うつ病に過剰結合性(hyperconnectivity)が認められることを確認し、治療によりそれが除去されることを示すことができた。重度うつ病患者における脳内の結合性の検討は、医師が電気ショック療法のベネフィット(便益)を受ける患者と治療後に再発する患者を予測する際に有用となりうる」という。主著者である同大学リサーチフェローのJennifer Perrin氏は「今回、作用機序がより明らかになったことで、医師も患者も安心できるようになると思われる」と述べている。

米ノースウェスタン大学(シカゴ)のTony Tang氏は、「脳のこの特定の部分は認知(思考過程)および社会的行動に関与し、うつ病に関わるため、この知見は驚くものではない。驚かされたのはうつ病に関連する以外の多くの領域では、電気ショック療法後にコミュニケーションの遮断がなかったことである。通常、電気ショック療法はより広領域での効果を得るために、脳の両側を対象に行うが同時により大きな副作用を伴う。今回の知見は、脳の左側の背外側前頭前野皮質が刺激の決定的な標的領域となる可能性がある」と述べている。(HealthDay News 3月19日)

http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=662893
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2012年3月29日 20:15 [主な疾患]|[治療]
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